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2019年8月7日水曜日

どんでん返しにつぐどんでん返しで振り出しにもどる(がん治療について)

昨日8月6日、治療入院のためにがん研有明病院に来た。
今日7日から治験の治療がはじまることになっていて、そのための入院手続きやら予備の検査やら診察のために来た。

午前中に入院手続きをして、病院着やタオル類などをレンタルし、病室に案内してもらって、荷物を置いた。
血液検査を終えて病室にいたら、治験コーディネーターのTさんが来た。

聞けば、治験のための検体をアメリカに送ってあったのだが、治験のための条件を検体が満たしていないことがわかったのだという。
専門的なことはわからないが、がん組織の密度が治験に必要な条件に足りないという。
がん組織は密集しているものもあれば、疎なものもある。
私の場合はとくに、食道がんの部位が食道粘膜の奥に隠れていて採りにくいというのもあったかもしれないらしい。

それはともかく、今後の選択肢としては、いくつか決まってきた。
担当のC先生も来て、話をしてくれた。
ひとつは内視鏡による検体の再採取をおこなって、もう一度治験を申請する。
つぎに、治験ではなく標準治療に切りかえる。

治験の最申請の場合、これまで時間がかかったようにまた日数がかかるので、治療がスタートするのがさらに数週間遅くなる、担当医としてはあまりおすすめしない、とのこと。
標準治療をすすめられ、治療スケジュールや副作用についてもくわしく教えてもらった。
病院としてはすでに明日から治療できる準備ができているとのこと。
朝まで決めて返事してくれて、ということだったので、昨日はそのまま病院に泊まって、ひと晩かんがえた。

今日になって、やはり抗がん剤の治療は受けないことに決め、それを担当医に伝えた。
「まだお若いし体力もあるのでもったいない気は正直します」
といいながらも、こちらの意志を尊重してくれた。
抗がん剤治療はおこなわないが、食道閉塞が数ヶ月内に目に見えているので、なんらかの処置は必要とのことで、放射線治療をおこなうことになった。
こちらも副作用がないわけではないが、入院する必要はない。

結局、一番最初に食道がんのステージⅣと告知されたときに、自分で決めた「抗がん剤の治療はしない」という方針どおりにもどってきたことになる。
あとは放射線で患部を焼きながら、抗がん剤にかわる方法として自分自身の免疫力と体力を維持・増強し、みずからがんと付き合っていくということになる。

いまはかなりすっきりした気分で、いまここにあるまだ元気な自分の身体を大事にあつかおうと思っている。