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2019年6月5日水曜日

「書く」「文字化(可視化)」することの威力を知ってもらいたい

自分が物書きだからいうわけではないのだが、「書く」という行為にはかなりパワフルな効果がある。
逆に、物書きなので書くことがあたりまえの行為になっていて、あらためてそのことに気づくことができなかった、ということがある。
あらためて「書く」という行為を見つめなおしたときに、気づいたことがたくさんあるので、それについてみなさんにシェアしたいと思っている。

NVCのセッションで、
「なんとなくもやもやする」
「なんのために生きているのか、どう生きていけばいいのかわからなくてつらい」
「自分のことがよくわからない」
「いくつかの選択肢があって決断がつかない」
というような悩みをしばしば聞くことがある。
そんな人がいたらまずは共感的に話を聞くことがNVCの基本だが、話を聞いてくれる人がだれもいないとき、そんな人はどうすればいいだろう。

自分のニーズがわからず、つまり行動が明確にならないときには、たいてい、ぐるぐるした反芻思考におちいっていることが多い。
自分の「かんがえ/思考」にとらわれてしまって、ニーズがわからない、すなわち自分につながれない状態にあるといっていい。

「自分はだめな人間だ」
「なにをやってももう遅い、こんな年になってしまってもう間に合わない」
「人づきあいが苦手だ、どうやって楽しく話していいかわからない」
「だれかに自分を理解してもらえる気がしない」

こんなかんがえがぐるぐる頭のなかをめぐって、打ち消してもまたそのかんがえが繰り返し浮かんできてしまう。

こんなとき役に立つのが、その考えを書き出してみることだ。
最初はばかみたいに感じるかもしれないが、自分でもくだらない、つまらないと思っている思考を、そのまま文字に書きだしてみる。
パソコンでもスマホでも、ノートや手帳に手書きするのでもいい。
ようするに自分のかんがえを文字という物理的なものに「視覚化」してしまうのだ。
なにかかんがえが浮かんでくるたびにそれをやってみる。

自分が書いた文字/文章をあらためて見てみると、頭のなかにある「思考」という抽象的なものが、具体的な形になって頭の外に出されたことがわかる。
書いてみるとわかるが、そのときいったん「反芻思考」は停止する。
視覚化/具体化されたので、もう反芻はしなくてすむからだ。

さてそこに書きだされた自分の思考=文字をあらためてながめてみよう。
そこにどんな自分の感情やニーズがあらわれているだろうか。

視覚化/具体化された文字を読む行為は、自分自身の思考から距離を置き、自分を客観視することになる。
自分をもうひとりの自分が俯瞰して見るような感じだ。
感情とニーズがとてもつかまえやすくなる。

なにか思考が浮かんだとき、それを書きだしてみる習慣を身につけること。
思考には後悔や自分自身への叱責や他人への怒り、恨みといったものも含まれているかもしれない。
なにか計画のようなものも出てくるかもしれない。
とにかくなんでも書きだしてみる。
そしてそれを客観視してみる。

書く習慣を身につけた者は、自己共感のための強力なツールのひとつを入手したことになるだろう。
書く習慣を身につける方法、そしてそれを客観視しそこから感情とニーズを明確にする方法、共感文章講座ではそんなこともシェアできればと思っている。

6月6・7日:オンライン共感文章講座(Text NVC)
メール、ブログ、SNSメッセージなど、文章(テキスト)でのコミュニケーションでお互いに共感したりつながりを作るための表現方法を学び、練習するための講座です。2日連続、それぞれ夜2時間ずつ。