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2018年9月13日木曜日

自分の喜びから人になにかをしてあげる

自己共感がしっかりできていて自分自身のニーズから行動している人と、自分のニーズを置きざりにしてなにかをしてしまっている人とでは、起きることがまったく違ってくる。

たとえば、家族に料理を作ってあげるとする。
家族が喜んでくれたり、あるいは料理を作る余裕がなかったり疲れたりしている家族をいたわることを思ったら、それは自分自身の喜びである、「料理を作らなければ」ではなく、「料理を作ってあげたい」というみずからのニーズから料理を作るとき、あなたは生きいきとしている。
そのことは家族に伝わっている。
いや、ほんとに伝わるのだ。
人は無意識にさまざまな微細な情報を受け取っているものだ。

そうではなく、家族が疲れている、自分が料理を作らないと家族が飢えてしまう、自分も作りたい気分ではないけれど自分が作らなきゃだれが作ると思って、がんばって作る。
そんなとき、たしかに料理は完成するかもしれないし、家族もそのことを喜んでくれるかもしれないが、あなたの「自分につながっていない感じ」は家族にも伝わっている。

前者と後者のちがい。
あなたが前者のとき、家族は自然に「ありがとう」という気持ちになることが多い。
後者のとき、家族は「申し訳ない」という気持ちになることが多い。

これは相手が家族にかぎらない。
対人援助職といわれるような仕事の人たちがいる。
看護師、医師、教師、マッサージ師、介護士、ほかにもたくさんある。
そういった人たちが自己共感のないまま、仕事だからと義務的に相手になにかをおこなうとき、たとえそれが相手を助けることであっても、相手は「申し訳ない」という気持ちになってしまう。

そもそもあなたはなぜその仕事についたのだろう、ということだ。
人を助けたくて、役に立ちたくて、サポートしたくて、そしてそれが自分の喜びであり生きる道だと思ったから、その仕事についたのではないだろうか。
あなたの行動の原点であるそのニーズにもう一度立ちかえり、喜びをもって仕事をするとき、相手はきっと「申し訳ない」ではなく「ありがとう」という気持ちになってくれるだろう。

私たちは人になにかをしてあげるとき、「申し訳ない」ではなく「ありがとう」がほしい生き物なのだ。

9月15日:共感音読カフェ@国立春野亭(オンライン参加可)
心身の健康向上・調整・未病・活力向上に力を発揮する音読療法(ボイスセラピー)と、人間関係や自分自身とのつながりの質を作ることに力を発揮する共感的コミュニケーションを組みあわせていいとこ取りをするカフェ形式の勉強会です。