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2018年3月4日日曜日

映画:アポロ18

2011年公開の、合衆国とカナダの合作映画。

1995年公開の「アポロ13」という映画とはなんの関係もない。
こちらはトム・ハンクスやケヴィン・ベーコン、エド・ハリスといった名優たちも出演していた、なかなか見ごたえのある、事実をもとに作られた大作映画だったが、「アポロ18」は対照的なB級映画といえよう。
公開直後の評価もさんざんだったようだが、私はそこそこ楽しめる部分もあった。

実際のアポロ計画は17号で打ち切りになったのだが、じつはひそかに18号が月に飛んでいた、その極秘フィルムを入手した関係者が、それをもとに再構成した「ドキュメンタリー」映画なのだという触れ込みで作られた。
もちろん嘘だ。

国防省の極秘任務で、家族にも内緒で月に18号で送りこまれた3人の宇宙飛行士が、月で不可解なできごとに遭遇し、ついには……
というストーリー。
まあいわゆる、悲劇的なファーストコンタクトものだが、造形はたしかに酷評されるような陳腐な部分もある。
が、アイディアと演出はそう悪くもないと私は思った。

はじまってから30分以上、なんの事件も起こらない、通常のミッションや宇宙飛行士たちのバックグラウンドが映されていく。
きっとなにか起こるだろうと、観る側は勝手に期待をたかまらせていくのだが、りいつまでたってもなにも起こらない。
いつ起こる、いつ起こる、というこちら側の気分の盛り上がりが、監督のねらいだろうが、まんまとはまってしまう。

いざストーリーが展開したいったとき、「案の定」という感じなのだが、それはそういうものに「すれて」いるこちら側の事情であって、あまり映画を観たことのない人が観れば、心臓発作を起こすほどびっくりするんじゃないか。

というわけで、SFスリラー映画にあまりスレていない人は楽しめることまちがいないことを保証しておく。