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2018年1月8日月曜日

レビュー:Zolo Liberty (完全ワイヤレスイヤホン)

音楽家なので、音楽を聴くための「出口」にはこだわりがある。
音楽家として音に対してもっともこだわりがあるとしたら、その「入口」と「出口」だろう。

入口はマイクである、音を拾う仕掛け。
ここが粗悪だと、音も粗悪になってしまう。
有能なスタジオには、高価なマイクが備えられている。
残念ながら、音質と装置の価格はほぼ比例する。

出口はスピーカーだ。
こちらも貧弱だと、音が貧弱になる。
スタジオには高音質のモニタースピーカーが設置されている。
民生用のスピーカーとは種類が違うものだ。
価格もケタが違う。

最近は据え置き型の大きなスピーカーで音楽を聴くということが少なくなった。
個人的に気軽に聴くには、ステレオ式のイヤホンか、せいぜいヘッドホン。
音質が改善されたのでタブレット端末やラップトップの貧弱なスピーカーでそのまま聴くこともあれば、ブルートゥースでモバイルスピーカーに飛ばして聴くこともある
まあしかし、それは、音楽を聴く、というより、聞き流す、といったほうがいい。

音楽を聴くには、ちゃんとしたスピーカーをある程度の音量で鳴らせる環境がないとき、ヘッドホンがベストだ。
ヘッドホンも民生用のものもあれば、スタジオ用のモニター専用のものもある。
私は両方持っているが、音質をチェックするときにはモニターヘッドホンを使うことが多い。
もっとも、普段音楽を聴くのにそんなものをわざわざ持ちだしたりはしない。

音楽家といえども、普段気楽に音楽を聴くときには、一般人とあまり変わらない普通のヘッドホンで聴く。
普通のヘッドホンといっても、これがピンからキリまであるから困る。
一般人がヘッドホンを買うとき、その値段のまちまちぶりにとまどうんじゃないだろうか。
みなさん、なにを基準に買っていますか?

ヘッドホンは頭部を横断し、耳を覆うので、それが重いときにはイヤホンを使う。
私もある時以降、ほとんどこれになった。
ヘッドホンをかぶって街を歩くのは気がひけるが(そういう人も見かけないではないが)、イヤホンだったら気にならない。

イヤホンもまた、ピンキリの価格、ピンキリのクオリティがある。
こちらも一般人は買うときに困るんじゃないだろうか。
みなさん、なにを基準に買っていますか?

私は最近はカナル式の、耳の穴にぴったりはまって脱落しにくいものを使っている。

イヤホンにはケーブル式のもの、ケーブルとアンプ付きのもの、ブルートゥース接続のワイヤレス式のものなど、さまざまな方式のものが最近は選べる。
私も最近は、ブルートゥース接続のものを使うことが多い。
かつてはワイヤレスのものは音質が落ちるものが多かったのだが、最近は音質はケーブル式とほとんど変わらなくなってきた。

いくつか使ってきたが、最近ではJBLのワイヤレスイヤホンが気にいっている。
ふたつのイヤホンの中間にバッテリーがついていて、一見邪魔なのだが、そこがクリップ式になっていて、襟の後ろにはさんで固定できる。
そしてバッテリーがこの手のイヤホンとしては大きめなので、長時間駆動できるところがいい。
音質もよくて、気にいっている。

そんなところへ、数量限定でAnkerの「Zolo Liberty」という製品のプライスダウンが来た。
これまで使ったことのない、左右完全独立型のイヤホンだ。
この手のタイプにはもちろん興味があったのだが、いかんせん高価なものが多かった。
そしてまだまだ製品としては練れていない感もあった(ある)。
練れていない高額製品を買うのはためらわれる。

Solo Liberty は7,000円を切ってくるという手頃価格だったので、思いきって購入してみた。

製品がとどいて、もっとも気になっていることをまず試してみた。
それは、耳にどの程度フィットするのか、着脱はどんな感じなのか、使っていて脱落するおそれはないのか、ということだった。
試してみると、その心配はほとんどないことがわかった。
カナル式のイヤホン部分は耳の穴にぴったり収まるし、個人差に応じて交換できるゴムのアタッチメントも3種類付属している。
また、耳の穴の上のくぼみの部分に引っかかるようになっている構造体もあって、耳の穴に押しこんでからちょっとひねりこむようにすると、かなりしっかりと固定されることがわかった。
普通に動く分にはほとんど脱落することはないだろう。

専用ケースは充電ケースにもなっていて、使わないときは収納しておけば自動的に充電されるし、使うときに取りだせば自動的にスイッチもはいる仕組みだ。
ブルートゥースの接続も一発でできた。
音質もまずまずという感じ。

ただ、ひとつ問題があった。
左右の音量が違うのだ。
これはどういじってもずれたままで、右の音量が極端に小さい。
だいぶ試してみたが、右イヤホンにはガリノイズも発生したりして、不良品と判断せざるをえず、残念だが返品することにした。
しばらく使いこんでみたかったのだが。

そんなわけで、いまは使っていないし、おなじ品物を再度購入しようとしたが、もう品切れで買うことはできなかった。
が、印象は悪くなく、また入手する機会があれば使うかもしれない。
いまはJBLのイヤホンにもどっていて、それはそれで機嫌よく使っている。