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2016年12月31日土曜日

映画:ザ・ウォーカー

2010年公開のアメリカ映画。
主演はデンゼル・ワシントン。

よくある設定ですが、舞台は最終戦争によって文明が滅びて、わずかな生き残りが汚染された世界に生きている未来。
マッド・マックスと似たような、それ以外にも無数に使われた設定です。
私がこのような世界設定の物語に最初に接したのは、中学生のときに読んだロジャー・ゼラズニイの『地獄のハイウェイ』でした。
極限まで描写を切りつめたハードボイルド文体で、かっこよかったなあ。
子どもごころにしびれた記憶があります。

さらに話はそれるけれど、ゼラズニイは自分の小説に格闘シーンをよく登場させます。
それもそのはずで、彼自身が武術マニアで、その武術歴のなかに私がやっている韓氏意拳につながる系列の形意拳や八卦掌まではいっていて、びっくりすると同時に、親近感をおぼえます。
また、彼が最初の長編小説『わが名はコンラッド』を出版したのは29歳のときで、おなじ29歳で長編デビューした私としては、その点にも親近感をおぼえます。
ただ、彼は意外に短命で、58歳で病死しています。
その点には親近感を覚えませんが。

話をもどします。
この「ザ・ウォーカー」は文字通り、歩く人が主人公です。
デンゼル・ワシントン演じるイーライという男は、格闘や拳銃の腕も相当なんですが、自分でも理由がわからないままにこの世にたった一冊残った本を持って、ただ西へ西へと歩いています。
その本はじつは聖書で、ある街の支配者となっているカーネギーは、聖書はこの世を支配するためのことばが詰まっている本だと信じて、イーライからそれを奪おうとします。
イーライとカーネギーの闘争が後半のストーリーとなります。

世界観というかビジュアルはいまさら目新しいものではありませんが、ストーリーはちょっと興味深いものです。
なんとなく原作小説があるような感じがしますが、調べてみたかぎり、そういうものはなく、映画のための脚本からストーリーが起こされているようです。
終末世界ものが好きな人にはけっこう楽しめるんじゃないかと思います。

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