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2016年10月23日日曜日

音楽:ブッゲ・ヴェッセルトフト「Somewhere In Between」

1964年生まれのノルウェー人。
最初にこのピアニストに出くわしたのはYouTubeでした。
キース・ジャレットをはじめとするソロピアノ演奏をブラウズしていて、見つけたのだと記憶してます。

頭つるつるのでっかい猫背おじさんが、ステージに置いたピアノとラップトップのあいだを行ったりきたりして、ループでリズムと音響を重ねていくライプパフォーマンスをやっていました。
それがなかなかおもしろかったのです。
アコースティックのピアノをループ音源に突っこんでいるところもおもしろかったし、音そのものもおもしろかった。

そこで、この人の別の映像をさがして、ただ奇抜なだけでなく、とてもしっかりした音楽性を持った音楽家であることを知ったのでした。
そして最新作がこのアルバム。

CDでは2枚組でしょうか。
全部で120分以上ある音源です。
さまざまな曲想の音楽が詰めこまれています。
さだめしブッゲの現時点での集大成といった観があります。
それでいて遊び心満載で、実験的でもある。

おもちゃ箱をひっくり返したようなアルバムです。
ジャズロックあり、ブルースあり、正統派の歌ものあり、バンドものあり、前衛あり、電子音楽あり。

もともと音楽活動のスタートがパンクロックだったというブッゲですが、お父さんがジャズギターのエリク・ヴェッセルトフト。
その影響をしだいに受けて、ジャズに傾倒していったようです。
とはいっても、いわゆる正統派のジャズの枠を何枠もはみだした音楽性が斬新。

ちょっとあたまがおかしいような、若干狂気を感じさせるようなあぶないところのある人ですが、それはそれは美しいソロを弾くピアニストでもあるのです。
このアルバムでも随所に美しいピアノが聴けます。

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演@明大前(10.23)
深くことば、静寂、音、そして空間とご自分の存在そのものをあじわっていただく「体験」型公演です。朗読と音楽、沈黙、そして音楽瞑想。明大前キッド・アイラック・アート・ホールにて、20時開演。