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2016年9月22日木曜日

音楽瞑想のワークショップとコンサート、泰子さんのレポート紹介

9月18日(日)の午後は明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉の3階ギャラリースペースで、音楽瞑想のワークショップとピアノ演奏のコンサートをおこないました。
私にとって、ワークショップはひとつの集大成としての区切り、演奏はひとつの挑戦としてのステップ、という位置づけがなんとなく自分のなかにあって、それらがきっちりと、しかも予想をこえた成果が感じられて、うれしい日となりました。
これもご参加いただいたみなさんのおかげによるところが大きく、感謝しています。

参加してくれた吉房泰子さんが、とても詳細な感想レポートを書いてくれたので、ご紹介させていただきます。
泰子さんは小袖生活案内人として小袖のワークショップの先生であり、また共感的コミュニケーションや瞑想の学び仲間でもあります。
泰子さん、ありがとう。

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【耳を澄まして音と歩く瞑想ワークショップ】

今日は、水城さんの「音楽瞑想ワークショップ」に行ってきました。
日頃の耳の感覚から、少しずつ耳を澄ましていくワークが、たくさんありました。
想像していた以上の面白さでした。

ワークショップの4分の1が済んだ辺りで、私は我慢できず言いました。
「これ、興味ある人が、たくさんいると思う!もっと、どんな体験するのか、内容を伝えたらいいのに~。もったいない!」
…と、水城さんへ詰め寄りました(笑)

それくらい面白いんです。
この後も、手応え充分でした。
照れ屋の水城さんに、ご許可をいただいたので、ネタバレを含む講座内容をシェアします。

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会場のキッド・アイラック・ギャラリーに入ると、とても音が響く空間で、驚きました。
黒いコンクリートの箱は、響きすぎる位です。
その響きが、吹き抜けの二階へ階段を上がっていくと、聞こえ方が変わります。
ここで音楽瞑想ワークショップですよ。何が起きるか、ワクワク!

この日の参加者は5名。

初めに、水城さんから音楽瞑想ワークショップができた経緯のお話がありました。
自分の音と繋がっていくと、身体が変わっていくことなど。
そして、参加者の参加動機と自己紹介がありました。

いよいよ、色々なワークの始まり。

◆5つの呼吸。
そのままで。前に手を組む。後ろに手を組む。右半身で。左半身で。
1つずつ丁寧に、自分の身体の変化、今の状態に気づいていきます。

◆ソニック・メディテーション(音響効果瞑想)
普段の感覚から、少しずつ耳を澄まして、聴く感覚を呼び覚まします。

◯音のコレクション・ワーク
気づいた音を、記憶してコレクション。
そのまま聴く。目をつぶって聴く。
これだけで、いつも聴いていない音に気づきます。

◯空間を動くワーク。
歩く。音を聞く。ハミングして動き回る。
この段階で「すごい集中と面白さ」にワクワク!楽しい~♪(≧∇≦)
各ワークの間に、短い感想のシェア時間があります。
同じ空間で、それぞれの感性の気づきを聞いて、さらに感受性が広がっていきます。

◯手拍子のワーク
前の人の音を真似て音を出す。

◯立って座るワーク
一人の人が立ち座る姿に、音を見つける。
集中して、客観的な視点で、感じたままを言葉にします。

◯紙爆弾
これは笑いも出て、参加者に印象深かったようです。面白かった。

◯コウモリの瞑想
目を瞑りハミングして壁に向かって歩く。

◯椅子に座る瞑想
ここまでに色々なワークがあり、静かに座る瞑想が新鮮に感じられます。
それだけ順番にワークをすることで、日常の感覚から深く自分と繋がっていきます。

この瞑想ワークの深いプロセスは、水城さんの見守る、安心安全なガイドのおかげです。
参加者が見つける気づきを、水城さんも好奇心で楽しんでいるからでしょう。
さすが15年の経験を基にして、色々なワーク組み合わせています。

◯声を出すワーク
二手に分かれて、2つの音を声に出します。
5度、短3度、2度など、音程を変えて聴き合います。
これは、イメージが様々な感想が出て、面白い。
感想を受けて、水城さんが、平均律、自然律の違いなど、音楽の構造の解説をします。
忘れた楽典で学んだ事よりも、体感的かつ実質的で、興味深い内容ばかりでした。

◯ピアノの音を聴くワーク
自分の体の空間にある水に、音の波紋が広がるように聴く。
もうここの前の段階で、私は、すっかり瞑想は仕上がっちゃいました。
ピアノの音が感性にビリビリと響きすぎて、二階へ行って音源から距離を取りました。
皆さんのシェアリングも、かなり深く、深い感性の言葉が溢れます。

◯自由に動いて色々な音を出すワーク
会場のあちらこちらに置かれた音の出る、小さな楽器を使って、耳を澄ましながら音を聴き合います。
一人一人の呼吸と集中した耳。とても敏感で豊かな広がりある感受性。
鈴を鳴らす人、壁を叩く人、カスタネット、足音…音が重なり、すれ違う。

私は、30個程の木の実を縄に繋げた楽器をお供に、散歩しました。
椅子の上の音から床へ、床を引きずる。シャラシャラ、シューシュー
引きずって階段を上る、カラカラカラ…カラカラ…小さな音
引きずって階段を降りる、カラカラカラ、グシャガラン!大きな音
ガラスケースの上、ケースの中、金属トランクの上、全部違う音が出る。
どんな音が出るのか?好奇心で動き回り、音を見守り味わう。
子供の頃に、こだわって1つの動きを何度も繰り返したように。

参加者それぞれが、自由気ままに動いているのに、見事に音が調和している状態が続きます。
自分と深く繋がって、呼吸と共に動く。
操作も意図もなく、ただ音の集中を味わう。
虚無を漂い音と歩く。観察し続ける。

静謐なハーモニーがありました。

水城さんの生み出す空間を、言葉で表すには限界があります。

私がなぜ、参加したのか?
自由な表現を安心安全の中で、味わいたいから。
批判やコントロールなしに、誰かの決めた制限なしに、心のままに。
そして参加して。
こんなに予想を超える、いえ、予想より深く堪能できて、ビックリしてます。
音楽瞑想ワークショップ。実に深く、面白み満載です。
水城さん、参加者の皆さん、音空間を共有してくださり、ありがとうございました。

夜の部のコンサートも、ワークショップの余韻のままに味わうと、自分の瞑想状態があるおかげで、より一層深く楽しめました。