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2015年11月24日火曜日

東海、北陸、海、川、湖

12月4日(金)と5日(土)に大阪でおこなう「袈裟と盛遠」3公演のリハーサルに、名古屋に行く。
朗読公演で、出演は名古屋の榊原忠美(バラさん)と大阪の窪田涼子(くぼりょ)。
私は音楽演奏で参加。

バラさんと私、あるいはくぼりょと私、という組み合わせではこれまでしばしば公演・ライブをおこなってきたが、この3人で、というのはひょっとして初めてかもしれない。

東京から名古屋にむかう新幹線のなかから、熱海の海を見ていて、突然ひらめいた。
私の東京・世田谷での生活も15年になろうとするが、どこか決定的にここが自分の場所という感覚を持てずにいた。
下北沢の近くの、羽根木という古くて静かな住宅街の、緑も多く、早朝に散歩するとここは軽井沢かと思うほど気持ちのいい地域なのだが、決定的に私には足りないものがある。
それは海だ。

海というより、水といってもいいかもしれない。
私が生まれたのは九頭竜川というとうとうと流れる河のほとりで、それはしばしば氾濫して災害をもたらしていたのだが、豊かな水量がもたらす恵みは大きかった。
学生時代は京都ですごしたが、学校にはほとんど行かず、琵琶湖にいりびたってヨットばかり乗っていた。

私は大量の水に接している生活が自分のベースになっている。
これは身体感覚としてあるようだ。
だから、プールで泳ぐのも好きなんだ。

しかし、最近はプールにも行っていないし、海も見ていない。
毎月のように実家に帰っても、その河は巨大ダムにせきとめられ、流量がコントロールされている。
湖でもいいのかもしれないが、世田谷には湖はない。

というようなことをかんがえながら、名古屋に移動し、それはそれとして「袈裟と盛遠」のリハーサルを楽しく終える。
借りた場所に楽器がなかったので、作曲家の坂野さんからお借りしたカシオトーンみたいなキーボード(ヤマハだけど)を使って音出しをする。
これがけっこう使えるやつで、立ち会ったみなさんからは「音楽がはいると全然ちがう」といってもらえた。
本番も(大胆にも)これでやろうかな。
会場にもピアノはないのだ。

夜は栄で飲み会。
これも楽しかったな。
朗読家の野崎紀子さんも参加してくれたので、バラさんとふたりで演劇論やら朗読論をまあ好き勝手にほざく、ほざく。
さぞかしうざいじじぃだったにちがいない。

そのまま名古屋に泊まって、今日は北陸の実家に移動。
今日はじつに冬の北陸らしい空模様。

※朗読「袈裟と盛遠」
日時:2015年12月4日(金)19時半~
         12月5日(土)13時~、15時半~
会場:座・九条
料金:前売1,500円、当日1,800円
予約:劇団クセックACTホームページ予約フォームよりお願いします