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2015年7月29日水曜日

絶不調にもかかわらず「沈黙瞑想」公演は充実豊満に

2015年7月27日、夜。
明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉の3階ギャラリースペースにて、通算5回めとなる「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演をおこなった。

今年になって何度かかかっているウイルス性胃炎(お腹をこわしたのでも神経性でもない特有の痛み)に、数日前からかかっていて、そこへ連日の猛暑が加わってかるい熱中症におちいってしまった。
ウイルス性胃炎は完治したと思っていても、思いだしたようにぶりかえす。
ウイルスが退治しきれていないのか、あるいはかかりやすくなっているのか。
体力が低下しているところへ、エアコンのない羽根木の家で連日35度超えのなかをすごしていたので、年齢のこともかんがえると熱中症にかかるのは無理もない。

頭痛と腹痛、かるいめまいとで、ふらふらしながら明大前まで、終演後の懇談会のための飲物とつまみをいれたカートを引きずって行く。
キッドのギャラリーは冷房がきいていて、快適。
ふらふらしたいた感じもすぐになくなってきた。

今回はたまたま展示企画がなく、壁面にはなにもかかっていなくて、ちょっとさびしい。
毎回、暗転したとき、暗闇のなかからうっすらと窓のように作品が浮かびあがってきたのがおもしろかったのだが、今回はそれはなし。

ホールの早川くんの奥さんで、画家でダンサーでもあるkanaさんが、床をふきそうじしてくれた。
それを見て、お客さんに寝っ転がって聴いてもらうことになった。
かねてからそのように聴いてもらいたいと思っていたのだが、寒かったり、そのことを忘れていたりで、実現していなかったのだ。

工藤くんがホールから座布団を運んできてくれた。
床に敷き、3階でも4階でも寝転んで聴けるようにした。

午後8時、開演。
今回、野々宮卯妙に朗読してもらうテキストは私の短編「今朝の蜜蜂は羽音低く飛ぶ」。
これは実は翌7月28日の〈サラヴァ東京〉のオープンマイクイベントで唐ひづるに読んでもらうために書きおろしたものだが、すでに書きあがっていたので沈黙の朗読で先にやることにした。

今回私は、ピアノ演奏において、なるべく「調性」を守った即興演奏のしようと心がけてみた。
フリー・インプロビゼーションでは、調性のあるものより調性を無視したもののほうがやりやすい。
調性をたもったフリー・インプロのほうが難しいのだ(すくなくとも私には)。

前半の沈黙の朗読、後半の音楽瞑想、通して調性をたもつことを意識し、しかし自分の身体とマインドフルネスに注意をむけながら、演奏をつづけることができた。
体調不良にもかかわらず。
演奏している最中はまったく体調のことは気にならなかった。

終わってからいつものように、かるくワインとつまみを提供して、みなさんと懇談会。
この時間がまた楽しい。
初参加の方が数名いらして、内ひとりからは「まだこのライブを知らない人にも聴いてもらいたい」ということばをもらった。
別のひとりからも「ファンになりました、また来ます」といってもらえた。
何度もリピートしていただいている方々には、ほんとうにありがたく思っている。

次回8月の「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演は、21日(金)夜、おなじキッド・ギャラリーでの開催。
詳細と参加申し込みはこちらから。