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2015年3月8日日曜日

雲南市民劇団の公演「Takashi」を観てきた

トランジション世田谷 茶沢会の立ち上げメンバーのひとりであり、いまは島根県雲南市に移住したhiloさんが関わっている雲南市民劇団の下北沢公演「Takashi」を観に行ってきました。
若手演出家コンクールの最終審査に残った作品ということで、演出家は雲南市の高校教師・亀尾佳宏さん。
出演もされていました。

会場は「劇」小劇場で、せまい会場にぎゅうぎゅう詰めの観客。
いくらなんでも詰めすぎだろうと、膝に故障を抱えて座りごこちの悪い椅子が苦痛の私はかなりむっとしながら開演を待っていたんですが、いきなり演出の亀尾さんと出演者たちが登場して、劇ではなく前挨拶みたいな感じで軽妙なトークをはじめたのには、ちょっとびっくり。
あとでかんがえれば、あれもすでに劇中だったんでしょうね。

雲南市出身の放射線研究者・永井隆博士の伝記のような劇で、最後は長崎原爆で妻を失い、みずからも放射線におかされて白血病でなくなるという内容です。
重い話をテンポよく、アマチュアの市民劇団員が熱烈に演じ、好感が持てます。
そしてなにより、終盤に発せられる原爆、戦争にたいする強烈なメッセージ、いまの日本のありようにたいする痛烈な批判。
それは直球すぎるほどの直球ですが、強烈に胸に突きささります。
いま、これほどの直球でものをいわなければ届かない時代になっているのではないか、という思いがわきました。

演劇的にはアマチュアらしさもあったし、せまい劇場では過剰すぎる発声や音響、音楽だったり、演劇という手法でなければならなかったのか、という疑問も残ったりしましたが、勇気を持って直球を投げこんだ亀尾さんに、最後は私も惜しみない拍手でした。

雲南市のみなさん、お疲れ様でした。
そしてありがとう。