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2014年8月29日金曜日

静かに集中した一日の最後はみんなとも集中

東京は寒いくらいに涼しい。
昨日の朝の洗濯物が、今朝になってもまだ乾いていなかった。
涼しくてコンピューターに向かう仕事に集中できるのはいいが、ずっと座っているので身体には負担がある。

今日の日中、出かける用事もなく、人が来る予定もなく、だれにも会わずにずっと部屋にとじこもってコンピューターに向かっていた(食事とコーヒーのほかは)。
朝からいくつか案件を片付けて、午後は某出版社からの依頼されている百人一首の音声編集をやっていた。
音声自体はおそらく15分程度のみじかいものだが、なにしろ百首あってそれぞれ上の句と下の句がある。
全部で200ファイルを切りだし、切りだすだけでなくノイズカットとブランク調整、そして音量・音圧などのマスタリングがいちいちある。

昨日から取りかかって、いままでに延べ8時間くらい費やしているが、まだ半分くらいしか終わっていない。
音楽やオーディオブックをふくむ音声の仕事は、とにかく時間がかかる。
しかし、決して嫌いな仕事ではない(面倒だけど。仕事というのは面倒を抱えこむことだ、というのは養老孟司先生の言葉だったかもしれない)。

合間に気分転換をかねてピアノの練習を何度か。
週明け、月変わりの9月1日(月)夜は、白楽〈ビッチェズ・ブリュー〉でのライブだ。
朗読とのライブだが、ソロピアノも弾く予定だ。
ピアノ単独の演奏のとき、私はなにをどう弾きたいんだろう。
そのことにちょっと徹底的に向かい合ってみようと思った。
自分自身はどうしたいのか、あるいは自分自身の表現はどのようになるのか。
恣意的な、もしくは外部的な要因を厳しく排除したとき、そこにはどんな音が立ち現れるのか。
あえてスタンダードナンバーを練習中に、少しだけなにかがかいま見えたような気がした。

夜はオーディオブック・ゼミ。
実利的な目的を持ったゼミ。
最初に最近の気づきとか気になったできごとを参加のみんなに話してもらうのだが、今夜もびっくりするような話、うれしい話、頭を抱えてしまうような話が次々と飛びだしてきた。

今夜のメインは、朗読者があまり客観的にとらえられていない「音程感」についての分析と実践。
オーディエンスにとって「よい朗読」とは、なにが「よい」から「よい」と聴こえるのか。
そういったことを原理的、客観的に検証できる場として、私にとっても貴重な時間であった。
参加の皆さんには感謝。
今夜参加できなかった方は残念でした(笑)。