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2013年10月26日土曜日

バリサクライブ「Sound Vision Vol.158」に行ってきた

バリトンサックス奏者・UKAJIさんのライブは、このところ欠かさず聴きに行くようにしている。
そのことについては、すでに何度かこのブログでも書いた。
毎回、衝撃的な体験をさせてもらっていて、私の音楽的インスピレーションの宝庫といっていい貴重な機会となっている。
だから、いつ開催されるかわからないライブについて、いつもアンテナを張っていたつもりだった。
ところが、だ。

昨日の午後、キッド・アイラック・アート・ホールの早川くんからFacebookで招待が届いた。
なんと、UKAJIさんのライブ「Sound Vision Vol.158」が、今夜あるというのだ。
今夜だと!
寝耳に水だ。
たぶんホールのスケジュールにはしばらく前から出ていたのかもしれないが、このところライブで忙しかったり体調不良だったりと、余裕がなくてチェックできていなかった。
もうすこし早めにいってくれよー、と思いながらも、すでにはいっていた予定はなんとか動かせそうだと考えた(奥田くん、すまん)。

予定を変更し、明大前のキッド・アイラック・アート・ホールに向かう。
小雨。
19時すぎにホールに到着すると、早川くんが受付に座っていた。
今夜は上のギャラリーのほうでもイベントがあり、そちらは盛大にやっている雰囲気がある。
しかし早川くんはいつものとおり、UKAJI番でちょっと肌寒いホール入口に陣取って、ひとりで受付をやっている。
ああ、なんていじらしい。

受付名簿を見ると、まだ白紙で、私は一番に名前を書きいれた。
ということは、ライブはUKAJIさんとの「サシ」になる可能性があるということか?
そんなことは気にせず、それはそれでおもしろいと思いながら、私はそれより受付に座っている早川くんのことが気になって、その場でなにくれとなく話しかけたりしたのだが、余計なお世話だったのかもしれない。
長続きしない会話をそこそこに切りあげ、私はホールにもぐりこんだ。

こじんまりしたホールには、いつものように10脚ほどの椅子が片側にならべられ、その反対側にはUKAJIさんが座る椅子と、楽譜などを置く机、譜面立て、そしてダイナミックマイクが二本、かなり高い位置にスタンドで設置され、ちょっと威圧感がある。
壁際には使いこまれたバリトンサックスが寝ていた。

いよいよこれは「サシ」かなと覚悟を決めかけたとき、外でなにやら人声がして、立てつづけに人がはいってきた。
といっても、男がふたり。
いずれもサラリーマン風で、そこそこ若い。
私はちょっと安心して、目が合ったより若いほうと会釈をかわしたりした。

19時半開演ということだったが、ちょっと待たされて、19時45分ごろにUKAJIさんがやってきて、
「本日は台風接近で雨のなか、わざわざお越しいただいてありがとうございます」
というようなことを、比較的よどみなく話された。
客は3人。
ほかになにか話すのかと思ったら、いきなりバリトンサックスを構えて、演奏が始まった。

すでに書いたけれど、最初のときはなにをどうやっているのかまったくわからず、度肝を抜かれてしまったのだが、何度か聴くうちにしだいに慣れてきた。
慣れていくというのは、そのすごさについても距離を置いて認識できるようになる、ということでもある。
昨日は私のほうも相当余裕で、ようやくこの余裕の境地に達したのだぜ、ということを若干誇示するような態度で、ときには気持ちよくなって軽くうとうとしたりする場面を見せたりして、楽しませてもらったのだった。
いや、ほんと、楽しかった。

終わってから、前回や前々回のようにUKAJIさんと一杯飲みながら音楽の話ができるといいなあ、と思って、下のブックカフェ〈槐多〉に行ってみると、なんだか盛況で人がたくさんいるではないか。
当番の多恵子ちゃんや、後でやってきた早川くんがきりきり舞いをしている。
たぶん、上のギャラリーイベントの人たちがちょうど終わって来ていたのだろう。
まあしかし、席がないわけではなかったので、座ってグラスワインなどを頼んでいたら、UKAJIライブで一緒だった若いサラリーマン風の人と相席になった。
せっかくなのでいろいろ話をしていた。

あとでわかったのだが、その若いSさんは早川くんや多恵子ちゃんの知り合いで、私のことも少しは知っていたかもしれない。
そしてどうやら、カフェでにぎわっていた人たちは、ホールのオーナーの窪島さんとその関係者だったらしい。
挨拶すべきかな、しかし知り合いでもないしな、紹介もされてないしね。
お世話にはなっているけれど、必要ならあらためてちゃんと手紙でも書きたいしね。
ま、とりあえず今夜のところは、あっしには関係ないことでござんす(←複雑な話だけど、わかる人にはわかる)。

というような、昨夜はちょっとおもしろい経験だった。