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2013年9月27日金曜日

表現のクオリティを左右するもの

明日から現代朗読基礎コースがスタートする。
現代朗読という表現方法へのアプローチがギュッと凝縮され、そして表現力を大きく飛躍させるための訓練カリキュラムがギュッとつまったプログラムを用意している。

朗読というと、日本語の発音発声のルールを練習したり、難解な文学作品の読解方法をたたきこまれたり、それにそった厳密なリズムや音程、間合い、呼吸などのコントロールをやらなければならなかったり、といった、とにかく「むずかしい」「とっつきにくい」というイメージを持ってしまっている人が多い。
本来、朗読表現というのは、そこに書いてある文字を読みあげるだけの、だれにでもできるものであるはずだ。
そして実際、現代朗読にはまったく初心者がやってきて、のびのびイキイキと表現を楽しんでいる。

アプローチがちがうのだ。
表現のクオリティを左右するのは、ルールや技術をおぼえることではない。
決まりきった型や、だれかうまい読み手の読み方をなぞることでもない。
自分自身のオリジナリティにもとづいて、いまこの瞬間の自分自身の生命力を最大限に発露することができるかどうかにかかっている。
そのためにもっとも重要なのは、思いこみを捨てて自分の身体に向き合う、ということだ。

朗読はとても敷居が低く、だれにでも取りくめる表現だ。
しかし、その奥行きはとても深い。
初心者は初心者なりにおもしろい表現が可能だし、経験者はさらなる奥行きをめざすことができる。
いずれにしても、向かい合うのは自分自身の身体。
身体というのは、精神や感受性もふくまれている。

現代人はなにかをするときに、自分の身体を意識するということがとても苦手になってしまっている。
朗読という行為は、自分の声と呼吸を用いるものだが、それが自分の身体からもたらされるということを忘れがちになる。
そのことをしっかりと思いだし、身体性を意識し、声と呼吸と全身のはたらきを密にしていくことで生命の輝きそのものを表現する、それが現代朗読のめざすところだ。

明日から基礎コースがスタートするが、定員に多少余裕があるので、明日は来れないという人も次回以降の合流参加も可能です。
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