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2012年9月11日火曜日

私たちは思い出を作るために生きているのではない

写真:焼き蟹と蟹味噌

北陸の実家に帰省している。
雲が低くたれこめ、まとまった雨になっている。
一時的に秋雨前線のようなものが日本海に発生し、この雨をもたらしている。
このところ、かなりの雨不足だったので、それが解消されて農業や林業従事者はほっとしていることだろう。

10月3日(水)夜、三鷹のライブスペース〈Sonido〉でおこなう音楽と朗読のライブの内容をかんがえている。
音楽陣は私のピアノと今竹さんのドラムス。
朗読陣はいまのところ、野々宮、照井といういつものメンバーにくわえ、山田みぞれ、佐藤ピリカが参加。
もう少し増えるかもしれない。

来週月曜日17日には「槐多朗読」の5回めを明大前のブックカフェ〈槐多〉で開催する。
これまでテキストは村山槐多の小説や日記、詩を中心に、あと私のオリジナルテキストを多少編みこんで構成していたが、今回は私のオリジナル作品「初恋」をメインにする。
老婆の奇妙な恋の話に、槐多の詩を数編織りこんだ構成にしたいとかんがえている。

ほかにも福井県立病院でのピアノコンサート、「木を植えた人」300回記念イベント、小林サヤ佳の豊田市足助交流館での語りのサポート、横浜ホッチポッチ・ミュージックフェスティバル参加、埼玉での朗読お茶会、梅丘音楽祭など、次々とイベントの予定があるが、ひとつずつ大切に、マインドフルに味わっていきたい。
私たちは思い出を作るためにやっているわけではない。

よく、旅行やイベントが終わって「いい思い出になりました」という感想があり、そのことを「よいこと」と評価する風潮があるが、私はそのことに違和感をおぼえる。
そういう言葉を聞くたびに、思い出を作るために生きているわけじゃない、という言葉が自分のなかで浮かんでくる。
なにかをしたときに結果的にそれが思い出になることがあるが、思い出自体を味わうことよりも、まさにその「おこなっていること」自体をその瞬間に味わうことが、私にとっては幸福なのだ。
これはいい思い出になるだろう、という評価思考が働いているその瞬間はマインドレスであって、おこなっていることそのものを味わうことから離れてしまっている。

これからイベントつづきの日々がやってくるが、いずれもマインドフルに、その一瞬一瞬に誠実に向かいあい、オーディエンスの皆さんに対しても正直に自分を表現していくことを心がけたい。