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2011年12月2日金曜日

初参加ふたりのテキスト表現ゼミ

今日も寒かったですね。朝からテキスト表現ゼミをやっていたんですが、自転車でやってきたミキティの目が凍りついて開かなくなってました。もちろん比喩ですが。
 今日はテキストゼミ初参加の人がふたり。なので、最初にテキスト表現ゼミのめざすところを少し説明しました。
 私たちはなにか理路整然と表現したい自分というものがあるわけではなく、表現というのは自分のなかになにが起こっているのか、自分はどういう人間であるのかを発見するための行為である、ということからスタートします。テキスト表現もそうで、首尾一貫した文章を書けるなどというのは幻想であって、私たちの内側は一瞬一瞬、変容しつづけています。なにかを書こうとして、あらぬ方向へ文章が行ってしまった、という経験はよくあることでしょう。
 社会生活を営む課程で、私たちは「あらぬ方向へ行ってしまこうとする自分」をだましすかし、なんとかスジの通った読み物を相手に渡そうとします。しかし、そこには大きな「嘘」が混じります。
 暴風雨のように移りかわりつづける自分の内側から、言葉をすくいあげて文字に固着する。それがテキスト表現の第一ステージでおこなうことです。

 てな話をまずはしたわけです。
 それから、自分の書いたものを人からけなされたときはどうしたらいいか、批判にさらされたときはどうしたらいいのか、についても話をしました。もちろん、私たちはお互いに評価しあうことはしませんが、世間はまだまだ他人の評価でしか自分の表現の価値を判断できない人が多いのです。

 その後は実際に個別の作品を読みながら、表現についていろいろ意見を交換しました。とくに今回は、初参加の佐藤ほくの非常に短い、詩のような短歌のような作品群について、じっくりと話し合うことができました。まだまだ検証したいことはありますが、まずはそのとっかかりが作れたのも、彼女がリアルゼミに初めて参加してくれたからだと思います。
 そうそう、テキスト表現ゼミや次世代作家養成塾は、これまでオンラインのみのメンバーもいましたが、今後はリアル参加のメンバーのみに絞っていくことにしました。
 とはいっても、どうしても物理的に参加できない——遠方に住んでいる方、身体が不自由な方など、諸事情で羽根木の家まで来れない人については、ビデオチャットで参加していただくという方法を残してあります。そちらを利用してもらえればと思います。

 ゼミ終了後は例によってピピカレーに行って、カレーを食べながらまた表現の話のつづきをしたのでした。
 楽しかったね。