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2011年4月6日水曜日

オーディオブックのススメ/読み手を募集・育成

欧米ではかなり普及していて、それなりのマーケットも形成しているオーディオブック(朗読本)だが、日本ではほとんど普及していない。
欧米では識字率が低いため、ある程度の部数が出る本は最初から活字本といっしょにオーディオブックも作ってしまう。そのためにオーディオブックはたくさんある。
日本ではオーディオブックは活字本とは別の予算でわざわざあらためて作らなければならないため、制作費がかさみ、普及が進まないという事情がある。
すぐにオーディオコンテンツとして出せるのは、語学関係、ラジオ番組の一部として作られた芸能コンテンツ、講演録、そして読みのクオリティはあまり問題にされないために安直に作ることができるビジネス書などのたぐい。
高いクオリティが要求される文学作品や文芸書のオーディオブックは、なかなか増えてこない。

そういう状況にあって、文芸作品のオーディオブック制作に特化しているのが、アイ文庫だ。
当然、ずっと苦労しつづけている。経済的にも、読み手の育成にも。
が、あきらめているわけではない。とくに文芸作品を読める表現力のある、クオリティの高い読み手を育てることをずっと続けている。

震災以後、活字やテレビニュースがつらいという人が増えている。
そういう人は気分を変えて音楽を聴くといいだろう。
そして音楽とおなじくらい、場合によっては音楽以上に心が落ちつくのが、オーディォブックだ。
すぐれた文学作品に接すること、そして飾らない読み手の声に包まれること。これはとても癒しになる。新美南吉や宮沢賢治の作品などは、子どもばかりでなく大人にもおすすめしたい。
また、私はアイ文庫作品にオリジナル曲をつけている。朗読と音楽が融合した音声作品を、自信をもっておすすめしたい。

この震災にあたって、急いで用意したオーディオブックもある。

「災害時のメンタルケア」を音声化したもの
私のサウンドスケッチ作品「気分がよくなる方法」

これらを聴いて「とても落ち着いた」という感想が寄せられている。無料なので一度聴いてみてほしい。

こういった活動をいっしょにおこなってくれる人を、アイ文庫では引きつづき求めている。
公共性の高い無料コンテンツ、クオリティの高い有料文芸作品、音楽と朗読とのコラボ作品。こういったものを読めるオーディォブックリーダーを育成している。
たんなる音訳やアナウンスではなく、自分の声で「作品」を残したいと思っている人は、参加してほしい。

アイ文庫の次世代オーディオブックリーダー養成講座第9期の詳細はこちら