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2010年8月22日日曜日

下北沢〈音倉〉オープンマイクに参加した

2010年8月21日、土曜日。
下北沢のライブスペース〈Com.Cafe 音倉〉のオープンマイクイベントに、現代朗読協会のメンバー何人かとOeufs(うふ)で出演してきた。
ここは1組15分枠で区切られていて、私たちは3枠もらった。

1. 芥川龍之介「蜘蛛の糸」の現代朗読
朗読:まぁや、玻瑠あつこ、野々宮卯妙

2. Oeufs(うふ)による「Summertime」「浜辺の歌」「ヒガンバナ」
うた:伊藤さやか

3. 萩原朔太郎「猫」〜水城ゆう「Cat's Christmas」「Cat Plane」
朗読:嶋村美希子、照井数男

午後2時、いつもの昼ゼミ枠に朗読参加者がやってくる。ふなっちもゼミに参加。丸さんも手伝いに来てくれた。
気づき報告のあと、おもに「蜘蛛の糸」を中心にリハーサルをする。
丸さんが差し入れてくれたおいしい北海道のメロンをいただく。2玉あって、みんなで堪能。元気をつけて、いざ5時半すぎに〈音倉〉に向かう。丸さんが車を出してくれた。といっても、〈音倉〉は徒歩10分とごく近いので、歩き組も。「蜘蛛の糸」組が浴衣に着替えたので、彼女らと私が同乗させてもらう。
丸さんには今回も、車だけでなく、撮影など協力してもらって多謝。

午後6時に店に入ると、すでに他の出演者も何組か来ていた。今回も私たち以外は全員音楽らしく、私たちも含めて8組が出演するようだ。
6時半スタート。お客さんも来てくれた。バンガードさんが奥さんを連れていらしてくれた。豊津さんがお友だちを連れて。ほかにもシマムラが自分のブログやmixiでたくさん告知してくれたので、知り合いが何人も来てくれていた。

最初はインドのチャントを歌う女性がひとり。バックの映像に友人による点描の曼荼羅を映しだしながら、カラオケで歌う。
2組めは若い女性歌手とおじさんのピアノという、ちょっと前の秀恵ちゃんと私のコンビを連想させる人たち。で、一曲めにいきなり「浜辺の歌」をやったのでびっくりしたが、まあOeufs(うふ)とはまったくキャラクターも演奏もかぶらないのでよかった。あとはオリジナルナンバー。
3組めはピアノの弾き語りの女性。なかなかうまかった。技術的には。
4組めは大学生の男の子のギターの弾き語り。まったくへたくそな子なのだが、それがかえってオープンマイクらしくてよかった。そして音楽は奇妙なことに、技術が身につければつけるほど個性は消えがちになる。なので、彼は逆にほほえましかったのである。といっても、彼が音楽に向いているかどうかという話になると別なのだが。

いよいよ我々の番。まずは浴衣の3人組。
まずはまぁやがひとりステージに座り、「いかにも」な朗読スタイルで「蜘蛛の糸」を語りはじめる。これはわざと。で、観客も案の定、「ああ、朗読ね」という顔をしている。
そこへいきなり、玻瑠さんと野々宮が「注釈読み」で乱入。そこからは入れ替わり立ち代わりの即興的な現代朗読がはじまって、観客のなかにはポカンとしている人もいた。もちろん楽しんでくれている人がたくさん。
音楽好きな人は、ほぼ現代朗読も好きになってくれる。これはこれまでの経験でいえることなのだ。

あっという間に15分の「蜘蛛の糸」が終わり、野々宮が9月19日の「特殊相対性の女」の告知やら、現代朗読協会についての説明をみじかくしたあとは、ひさしぶりのOeufs(うふ)の登場。
1曲めはスタンダードナンバーの「Summertime」。通常とは違う8分の6拍子でやる。1年近いイギリス留学で力をつけてきた伊藤さやかが、堂々とジャジーに歌う。
が、もちろんこれがOeufs(うふ)の色ではない。次は唱歌の「浜辺の歌」。とても難しいスローなテンポでゆったりし、そしてメロディと音の感触を味わうようにじっくりとやる。
最後はオリジナルナンバーの「ヒガンバナ」。げろきょのメンバーにもお客さんにもとても好評で、ジンときた、という感想もいただいた。

Oeufs(うふ)の再起動はうまくいった。
我々の最後の組は嶋村美希子と照井数男の若手ふたり組による「猫」朗読。
まずは猫耳をつけたシマムラがひとり出て、萩原朔太郎の「猫」をひとりでやる。前後ろを反対に置いた椅子の上に乗っかり、エロかわいく詩を読む。ここでも観客は釘付け。
次に照井数男が出て、猫耳をシマムラにつけてもらい、「Cat's Christmas」をふたりで読む。どの部分をだれが読むかというのは決めていない。ふたりの呼吸でやりとりする現代朗読だ。子猫のかわいい「好き、ご主人様」というセリフを照井の野太い声でやられるのは、実にキモい。
最後はふたたびシマムラひとり。「Cat Plane」という、ある意味非常にアブナい内容の私の詩を、緩急をつけて一気に読みきった。ピアノとのからみもしっかりやれて、まさに疾走するようなフレッシュな現代朗読となった。

全員、終了。あとはほっとひと息ついて、飲んだり食べたり。
私たちのあとにはもうひとり、ピアノの弾き語りの女性が歌を歌って、この日のオープンマイクイベントはすべて終了。
私はずっと出ずっぱりだったのでかなり疲れたけれど、大変心地よい疲れだった。

9時に店を出て、ふたたび丸さんの車で羽根木の家まで連れて帰ってもらい、みんなでほっこり。
いろいろ感想をいいあって、11時近くにようやく解散となった。
みんな、お疲れさん。
ご来場いただいた方々にも感謝します。