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2010年7月23日金曜日

もうやめようよ、成長経済原則

北米フロリダ沖のBP海底油田事故のことは、日本ではあまり詳細な情報が入ってこないが、大変なことになっているようだ。
フロリダ半島からメキシコ湾岸の海洋生物は死滅するだろうといわれているし、現にすでに死滅した生物もいる。この被害はさらに拡大し、メキシコ湾流に沿っ沿岸全体が危ないといわれている。すなわち、合衆国の東海岸、カナダの東海岸、北大西洋全域にかけてだ。
たった一か所の事故でこれほどの被害がもたらされてしまうのは、まったく異種の災害だが、宮崎の口蹄疫のことを連想する。
ともに効率を求め、経済成長を追求するあまり、単一原因で被害が極端に広がってしまうという意味では、似ていないか。
この種の災害は、我々が経済効率と成長を求めつづけるかぎり、なくならないどころか、さらに拡大しつづけるだろう。
これを食いとめるには、我々が効率追求をやめ、いますでにあるリソースでなんとかやっていく社会と生活スタイルに変えていくしかない。経済が後退しても、みんなが幸せにやっていく方法はいくらでもある。
しかし、それをうたうと、資本家や経済ピラミッドのてっぺんにいる一部の特権階級が困るので、政治もそちらに舵を取れないだけの話だ。

石油を燃やして行ったり来たりするのはもうやめたい。
石油や放射性物質をたいて作った電気を大量に使うのはもうやめたい。
工場で作られた食べものを口に入れるのはもうやめたい。
発展途上国の資源と労働力の犠牲の上に成り立っている大量生産品を買うのはもうやめたい。
穀物を与えて効率よく太らせた家畜を食べるのはもうやめたい。
贅沢ばかり追求してみんな本当に幸せになれただろうか。
人と共感を共有し、本当の意味でおだやかで幸せな社会を作るには、成長経済原則はなんの役にも立たない。