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2010年1月6日水曜日

mixiというSNSの特殊性をかんがえる

 かなり以前から問題視されていたことだが、mixiはiPhoneを始めとするスマートフォンの利用には、現時点で一切便宜をはかるつもりがないらしい。
 日本特有のケータイ(いわゆるガラケー)には対応しており、またmixiの入会認証にガラケーのメールアドレスを利用する仕組みを使っていた。つまり、ガラケーユーザー以外はmixiを使わないでくれ、という公式メッセージだということだ。
 それでも古くからのmixiユーザーや、ガラケーとの2台持ちユーザーらは、mixiを使っていた。なぜなら、mixiには数多くの魅力的なコミュニティが存在するためである。これはmixi事務局が作ったアドバンテージではない。ユーザーたちが作ったものである。ついでにいうなら、ユーザーあってのものであるという認識を第一に持つことがSNSの本分であろう(つまりmixiという会社はその認識を持っているようには思えない、ということ)。
 私もmixi(の機能やコミュニティ)には多くの恩恵を受けてきたが、ときに見え隠れする狭量な運営方針に徐々に嫌気がつのってきているのも事実だ。
 現実的には、スマートフォンユーザーの市場にmixiを対応などさせなくても、ガラパゴス的日本の特殊事情ユーザーを囲いこむだけで十分な利潤をあげているのだろう。
 しかし、本当にこのままでいいのだろうか。
 いや、まあ、私などが心配することではないのだが。

 日本ではまだまだ、超多機能・超特殊機能付き、そして排他的ケータイネットワーク(i-modeやEZ-Webなど、これはインターネットみたいな顔をしているがまったく別系統)が大きなマーケットを形成し、巨額の利益をあげている。が、時代はじわじわと、しかし急速にスマートフォンに動きはじめていることはまちがいない。
 1年半前のiPhone上陸に始まって、アメリカではグーグルがアンドロイドケータイである「ネクサス・ワン」の販売を開始した。これは日本に間もなくやってくる。iPhoneの獲得に失敗したドコモもKDDIも、アンドロイドの展開に向けて手ぐすね引いていると思われる。グーグルだけでなく、多くの会社もスマートフォン市場に参入しつつある。
 携帯電話の世界も、インターネットとシームレスに接続できることで、機種そのものが世界標準になってきたのだ。世界のだれも、日本の特殊なケータイネットワークに興味は示さない。機種だけでなく、まさに進化から取り残されたガラパゴス諸島のように、ケータイネットワークそのものも独特の奇妙なものとして取りのこされている。
 そんななかにmixiというSNSがぽっかりと浮かんでいる。それはそれでおもしろい風景ではあるけれど。

 私はiPhoneユーザーなので、これまでmixiはPCブラウザか、iPhone App の「mixi mini browser」というなかなかよくできたアプリで利用していた。ところが、これまでにも何度か問題が起きたのだが、mixiの度重なる気まぐれなサイトの仕様変更によって、今回も表示ができなくなってしまった。具体的にはアプリそのものが立ちあがらなくなった。
 まさに今日の午後のことだ。
 たとえばGoogleがそうしているように、mixiもAPIを公開し、仕様変更があったとしても迅速にアプリ側で対応できるようにすればすむ話だと思うのだが、そうするつもりはいまのところないようだ。アプリの開発者も、もうこれ以上のサポートはしない、と宣言して手をあげてしまっている。
 iPhoneでアクセスできることで、Twitterのようにリアルタイムで更新情報を見られたり、自分のエントリーをUPすることもできたのだが、外出時にそれが不便になったのは大きい。このあたりが、mixiと距離を置くためのいい潮時かもしれない。

 じつをいえば、これまでにも何度かmixiと距離を置こうとしたことはあった。一度などは、完全にmixiのIDを削除してしまったこともあった。
 また、最近だと、mixi日記を外部BLOGにリンクさせている。これは更新が楽ということもあるのだが、日記にコメントをつけられないことにもなる。私のエントリーにコメントをつけたい場合は、BLOGのほうで(こちらではコメントを開放している)公開の場であることを前提に書いてもらうことになる。もっとも、ペンネームが使えるので、どこのだれが書いたものなのかは保証の限りではないが。
 それから、これは何度か発言していることだが、mixi特有の身内臭い、狭苦しいネットワークというのが、どうも私の性分に合わない。BLOGでもわかるように、私はプライベートのかなりの部分まで公開しているし、発言も自由におこなっている。そういう風通しのいい雰囲気がもともと好きなのだ。ただし、誤解してもらうと困るのだが、もちろんプライベートをすべてオープンにしているわけではない。オーブンにしたくない部分は書かないだけの話だ。
 最近では風通しのいいシステムがたくさん提供されている。Twitter、Facebook、MySpace、Flickrなど、数え上げるときりがない。mixiのコミュニティは魅力的だが、情報コミュニケーションということであれば必ずしもmixiだけに依存する必要はない。