ページ

2017年5月12日金曜日

聞かれる、見ていてもらう、理解してもらう

友人や同僚から、突然、
「もう仕事やめたい」
「最近しんどい」
「人間関係が最悪」
「がんばってるのにむくわれない」
などと、愚痴をこぼされたことはないでしょうか。
あるいはメールやメッセージをもらったり。

そんなとき、私たちはつい、なぐさめたり、気晴らしに付き合ったり、あるいはアドバイスしようとします。
つまり、なんとか相手の役にたとうと自分なりにがんばってしまうのです。
しかし、相手にしてみれば、本当はそんなことを望んでいないのです。

相手がなにを必要としているのかは、その愚痴の内容ではなく、愚痴を「あなたに」いってくるまさにその態度に示されています。
あなたは愚痴の内容を聞くのではなく、まさに「聞いてほしい」という相手の態度そのものを受け取る必要があります。

なにかつらいことや苦しいこと、悲しいこと、むかつくことがあったとき、私たち人間はそれをだれかに聞いてもらいたいと思います。
解決策を相手にもとめているのではなく、まずはただ全部聞いてもらいたいのです。

人間にはだれかに「聞いてもらいたい」とか、自分がやっていること/がんばっている姿をだれかに「見ていてもらいたい」、そして自分をだれかにわかってもらいたい/わかってもらいたい、というニーズがあります。
それが満たされていないと、孤独をおぼえ、またなんとかして伝えたい/わかってもらいたいと、切迫感に襲われます。
満たされていると、たとえつらい状況のただなかであったとしても、落ち着き、また活力がわいてきます。
そして問題解決へと向かっていくことができます。

判断も分析もアドバイスもなく、まずはただ聞いてあげること。
そして相手がどんな気持ちで、どのようなことを大切にしているのか、ただそこを受け取る。
相手にはあなたが完全に聞いてくれたことがなにもいわなくても伝わりますし、ときにはそのことを伝えてもいいでしょう。
そのあとで、なにか必要なことがあるか、あるいはアドバイスがほしいかどうか、あらためて聞いてみればいいのです。

親密な関係における共感的コミュニケーションの勉強会(5.20)
共感的コミュニケーションでもとくにやっかいだといわれている親密な関係であるところのパートナーと、お互いに尊重しあい、関係性の質を向上させるための勉強会を国立駅徒歩5分の会場でおこないます。