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2012年1月2日月曜日

この世は意味のない美しさに満ちている

私たちは生まれ落ちて言語を獲得し、コミュニケーションをしながら社会生活をいとなんでいくうちに、いつしか「意味」ばかり追いもとめるようになります。この仕事にはなんの意味があるのか、この人と付き合うことに意味はあるのか、この本を読む意味はあるのか、この絵を見る意味はあるのか、この人生に意味はあるのか、などなど、果てしない意味の追求が人生そのものといってもいいようなことに陥ってしまっています。
「それ、意味わかんない」
「それって意味あるの?」
 といった言葉が聞かれない日はないといってもいいくらいです。
 しかし、思いだしてみてください。この世の中には意味のないことのほうが多いのです。というより、私たちの人生を含め、意味のないことがほとんどすべてといってもいいくらいです。
 道ばたに咲いている花に意味はあるのでしょうか。美しい夕焼けに意味はあるのでしょうか。夜空に輝く星々に意味はあるのでしょうか。それを見上げながら歩いている私の存在に意味はあるのでしょうか。
 意味がないからといって、それが美しくないわけはありません。意味がなくても美しい。そのことを味わうのが、私たちの生のいとなみそのものといえるのではないでしょうか。
 私は今年も意味はなくても美しいものを見つけていきたいと思います。