数学にとってもっとも重要な価値基準は「美しさ」だと、ある人が書いてました。それを読んでびっくりすると同時に、なるほどとも思いました。たしかに、ある数式を見て、意味はわからなくても「美しい」と感じることがあります。数学者は美しい数式や、美しい解法を求めているのかもしれません。
では、「美しい」とはどういうことなのでしょう。
景色や絵を見て「美しい」というのはだれにでもあることです。では、その美しさは人間に共通の価値なのでしょうか。ある風景を見て「美しい」と感じる人もいれば、「醜い」と感じる人もいます。たとえば、荒涼とした砂漠の風景を見たとき。あるいは、ビルが林立した大都市の風景を見たとき。
「美しい」の価値観は確かに人によってまちまちです。しかし、自分のなかにある「美しい」という基準は、他人との比較なしに独立して存在しているようにも思えます。
この「自分のなかにある美しさ」を規範として行動すると、人生はかなり変化するように思います。
「いま、自分がやろうとしていること、やっていることは、自分にとって美しいことだろうか」
というふうに。
ひょっとして、そのように考えながら生きている人は、実はけっこういるのかもしれませんね。