グーグルが作ったウェブ上のミュージッククリップ。
サイトはこちら。
「インタラクティブ」というところがミソ。従来との違いをアピールしている。
こちらが関われのは二カ所。
まず、場所。自分の好きな場所の地名を入れる。
私だったら世田谷の梅丘に住んでいるので「Umegaoka」と入れると、自動的に検索して、「東京の世田谷区ね?」と補完して聞いてくる。
オーケーすると、ミュージッククリップの再生が始まる。
流れるのはカナダのバンド「Arcaid Fire」の「The Wilderness Down Town」という曲で、パーカーを着て帽子を深くかぶって顔の見えないランナーが道をひたすら走っている映像が流れる。
HTML5の技術を駆使して、次々とウインドウが開いたり閉じたり、動いたりする。
ランナーが走っているのはどこともわからない場所なのだが、途中でおなじみの「グーグルアース」「グーグルマップ」や「ストリートビュー」の映像がウインドウで重なって流れ、なんとなく男が走っている街が梅丘であるかのような錯覚におちいるのだ。
途中でもう一度、「インタラクティブ性」が出てくる。
入力窓があらわれ、そこにマウスで自由に絵を描いたり、メッセージを書きこんだりできるのだ。それがまたミュージッククリップのなかで動的にクロスしていって、イメージを変化させる。
よく見れば他愛ない加工で、それほど凝ったことをやっているわけではない。が、インタラクティブ性が目新しさを感じさせる。
しかし、確認してほしいことだが、やはりもっとも重要なのは、まずは曲を作った人、それを演奏した人、それを収録し音楽作品に仕上げた人、そして映像を撮影し編集した人。つまり、最初に「もの」を作った人たちであるということ。
ネットではともすれば、そこのところがおろそかに、忘れられがちになる。私も作り手のひとりとしてときに残念な気持ちになることがある。