Amazon.comの電子書籍リーダー「Kindle」というのが話題になっていて、日本でもぼちぼち見かけるようになってきているが、iPhone App にKindleが登場した。無料。
さっそく試してみた。
その前に、Kindleのなにがすごいといって、Amazonの売り上げが、Kindleが2年前に登場して以来、現在、冊数ベースで電子書籍の売り上げがほぼ50パーセントになっているという事実だ。たった2年で「本を読む」という風景がこれほど変わったというのは、なにを意味しているのか。
AmazonのKindle対応電子書籍は、現在、約36万冊ある。これをiPhoneで読むためには、Appをインストールしておくほかに、Amazon.comのアカウントを取得して、クレジットカードを登録しておく必要がある。
アカウントはAppからでも取得できるが、まあコンピューターで作業しておいたほうが楽だろう。
iPhoneの Kindle App を立ちあげ、Amazon.comのアカウントを入力して「Get Books」を選択。すると一時的にSafariが立ちあがって、Kindle Store に接続する。ここで読みたい本をサーチして選択し、あとは1clickで購入できる。
購入すると、Kindle App に戻るので、ダウンロードが完了するまでしばらく待つ。そうするとHome画面に購入した Kindle book のタイトルが表示されるので、あとは読むのみ。
私は試しに、Marshall B. Rosenburg "Nonviolent Communication" を買ってみたが、紙の本となんら変わりなく読むことができた。かさばる紙の本はだれかにプレゼントしてしまうことにしよう。
さて、この流れが日本にどう入ってくるか、だ。
日本でもこのように電子書籍がKindleやiPhoneで読めるようになるのはありがたいが、著者側からの視点でこれを俯瞰してみたい。
iPhone App が一個人で開発でき、一個人で全世界に販売できるようになっていることを見れば、本(テキスト)や音声(朗読や音楽)も一個人で作ったものが一個人から直接、全世界に向けて販売できるようになることはまちがいない。
私が本を書き、Amazonなどの電子書籍サイトに個人で登録し、個人向けに販売できるようになるのは、おそらく何年もかからないだろう。私が本を書き、それを1000円で売りたいと設定したとき、電子書籍サイトは決済手数料として30パーセントを取り、私は700円を受け取る。そういうことになると思う。
そんなビジョンの元に本を書くとしたら、どんな内容になるだろうか。