あまり知られていないことだが、iPhone/iPod touch の登場で音楽演奏の世界が大きく変わりつつある。
音楽演奏はかつて、特殊技能を持った人たちの独擅場であったし、また、音楽演奏をしたい者は高額なレッスン料を払ってレッスンを受けたり、血のにじむような努力をしてトレーニングしなければならなかった。
iPhone App の世界には、そんな壁をあっさりと乗り越えてしまうすばらしいアプリがたくさんある。
今日発見し、試してみたアプリは、そんな中でもとくにすごいものだ。
私はピアノを弾く人間で、その技術の習得には多大な金銭的/労力的犠牲を払ってこんにちがあるわけだが、そんななかでもピアノ以外の楽器に興味を示したことが多々ある。
なぜなら、ピアノという楽器は鍵盤楽器であり、いってみればスイッチが並んでいるようなものである。スイッチは半音間隔で並んでいて、その中間の音というのは存在しない。すべてのピアニストは中間音を出せる楽器演奏者にたいして強い憧憬を抱いている。つまり、弦楽器や管楽器など。
私もそのとおりであって、中学生のときはブラスバンドでトランペットを少しかじったし、その後もギターなどの弦楽器の演奏を試みたこともある。いずれもあまりものにはならなかった。しかし、中間音の出る楽器はいまだに弾ければいいと思っている。
かろうじてシンセサイザーという鍵盤楽器は、ベンダー(ポルタメント)というホイールというかレバーを動かすことで、ギターやフルートのような中間音を出せることは出せる。しかし、それとてなんとなく「やむをえない感」がある。
今日 App Store で見つけた iPhone 用アプリの「RIFF」というのは、そんな私をいきなり「ギタリストそのもの」に変身させてしまえる驚愕のアプリであった。
その証拠に、YouTubeに演奏映像をUPしたので、見てみてほしい。
今日入手して、ほとんど練習なしに、いきなりこの演奏ができてしまうのだ。もっと練習すれば、そしてバックの音源を作りこめば、もっとすごいパフォーマンスはあるうるだろう。
あこがれのギタリストになってしまえただけでなく、私は世の中すべてのギタリストたちに対して、存続の危機を(余計なお世話かもしれないが)抱いたのである。