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2019年4月30日火曜日

音読トレーナーの仲間が増えることの喜び

今日はボイスセラピー講座を開催した。
すでに音読療法協会からは何度かアナウンスされていることだが、音読療法の伝道師ともいうべき音読トレーナーの資格を取得するための養成講座は、あらかじめボイスセラピー講座が受講ずみであることが要件となっている。

ボイスセラピー講座はほぼ毎月開催しているが、音読トレーナー養成講座は年に一、二度しか開催しておらず(できていないといってもいい)、参加申し込みがあるのはありがたい。
音読療法をもっと多くの人に知ってもらいたい、そのことが介護予防や心身の健康法として社会に貢献できるという確信があるからだ。

今日参加してくれた人は6月の音読トレーナー養成講座への参加も決めていて、あらかじめボイスセラピー講座を受講してくれた。
とはいえ、実は6月の音読トレーナー養成講座はボイスセラピー講座とセットになっていて、一気に両方とも受講することが可能だ。
それを知った上で、今日も参加してくれた方はありがたいなと思う。

今日のボイスセラピー講座では音読療法の全体像と、実際にどのようなことをおこなうのかを体験してもらったわけだが、音読トレーナー養成講座では実際に音読療法をファシリテートしてグループワークとしてみなさんに役立てていただくためのリードができる人を育てている。

今日参加されたのはすでに音楽活動を通して近所の介護施設の慰問をされている方で、音読療法もそのような活動に生かしてもらえるだろうと思う。
サポート参加してくれた音読トレーナーのまなみさんや、音読療法士の野々宮も交えて、楽しく学びの場を進行させていただいた。

ランチタイムにはみんなで近所のレストランでご一緒して、うっかり学習の時間に食いこんでしまうほど楽しい話で交流したりした。

6月のボイスセラピー講座も音読トレーナー養成講座も、ともにいきいきと楽しく学ぶ場となるだろうし、またその学びが自分自身の活力と社会貢献に生かすことができるので、本当におすすめしたいと私は思っているのだ。
ひとりでも多くの人が音読療法に興味を持ってくれて、また参加するチャンスがあるといいなと願っている。

ほんとに楽しいですよ!
そして自分自身を活かしてください!


6月14日:ボイスセラピー講座@国立
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を学び、身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。6月14日(金)14時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。

6月14・15・16日:音読トレーナー養成講座
介護予防や健康促進ワークに最適な音読ワークをファシリテートできる「音読トレーナー」の資格を取得するための2泊3日の合宿形式講座を6月14日(金)夜から16日(日)の三日間にわたって、JR国立駅徒歩5分の会場で開催します。

【韓氏意拳】韓競辰老師来日講習会に4コマ参加してきた

4月28日と29日の2日間、韓競辰老師の来日講習会に参加してきた。
28日は初級講習会を午前中と午後のふたコマ、29日は中級講習会をやはり午前中と午後のふたコマだった。

(写真は池袋での講習会の合間に食べたラーメン)

2017年の連休にも参加したが、昨年2018年は都合がかさなって参加できなかった。
今年はまとめて4コマ参加できたのがありがたかった。

韓競辰老師は2年前にお会いしたときからまったく衰えの見えない、いやむしろさらに元気になっているんじゃないかと思えるほどのパワフルさで、座学も実技もがんがんと進めていかれた。
その存在自体が韓氏意拳という武術のパワーと楽しさ、そして厳しさを体現しているように感じるほどだった。

初級も中級もしっかりと座学が織りこまれていたが、その内容は韓氏意拳においてもっとも重要とされる「状態」とそれにまつわる話が中心だった。
ヒトを含む生命体すべてにそなわっている生存のための感知能力、応変能力をいかんなく発揮するために、いかに「状態」が大事なのか、そのことによって力ではなく「勁」を発揮されることをよく知り、観察すること、これが韓氏意拳の站椿功によって練られる。
身体をはった情熱的な講義によってこれらのことが多角的に語られ、また稽古を実際におこなうなかで手をそえていただいて指導され、日頃教練から指導されていることではあるけれどあらためて神髄に触れて気づきなおすことが多々あった。

我々現代人が「進化した」と信じている文明生活のなかで、自然人が本来持っているはずの能力をどれほど失ってしまっているのか、どうすればそれを取りもどすことができるのか、繰り返し形を変えて説明されたり、実技されるのを見て、日頃の自分稽古の重要性を再確認したりもした。

「我想」から「我感」へ。
未知にたいする畏敬の念が「状態」を生むこと。
脱力から発力、また脱力という変化ではなく、「状態」から「さらなる状態」への変化が重要であること。

たんなる武術の講習会というだけでなく、我々現代人の生き方、考え方に大きな波紋を投げかける重要な講習会だったと思うし、またこれからの日々の稽古のなかでみずから問うていくことがたくさん生まれたきっかけにもなったと思っている。

韓老師と、今回の講習会をお世話してくれた教練の皆さんに感謝したい。
とくに通訳という大変な役目を担っていた昭島K-STUDIOの駒井先生には、ねぎらいとともにありがとうございますと伝えたい。

5月20日:国立・韓氏意拳初級&養生功講習会
駒井雅和中級教練による国立での韓氏意拳初級&養生功講習会を4月22日(月)14時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催します。

平成の大晦日、世の中のことを感知しながらも自分自身とともにいること

27日・土曜日の夜は国立〈キノ・キュッヘ〉のオープンマイクにゼミ生ユウキと野々宮とともに出演。
28日・日曜日はさいたま市まで韓氏意拳の韓競辰老師来日講習会の初級講習に、午前と午後のふたコマ参加。
昨日29日も、池袋まで韓競辰老師の中級講習会に、午前と午後のふたコマ参加。

そして今日30日は平成最後の日だが、このあとボイスセラピー講座をおこなう。
夜はまたもや韓氏意拳の火曜クラスに参加するため、昭島の駒井先生宅K-STUDIOまで行ってくる。
これが終われば、ちょっとひと息つけるかな。

毎日これだけの活動がつづいて、もちろん疲れるけれどへばったりしないのは、ここ1年ばかり身体を作ってきたおかげだと思う。
還暦もすぎ、やがて62になろうという人間が、ここからでもやれることがたくさんあるし、また以前はできなかったことができるようになったり、自分自身の可能性をもっと追求していくおもしろさを感じて毎日をすごせるというのは、本当にありがたく幸せなことだ。

おかげさま、ということばを、私がこれまで気にかけてきた「マインドフルネス」「音読療法」「NVC」現代朗読や即興演奏などの「表現」、そして「韓氏意拳」に向けたい。
これらに関わる上で多くのことを教示してくれた仲間、共演者、指導者の方々に、あらためて感謝しつつ、令和の時代に進んでいこう。

とはいえ、年号が変わるということで世間ではかしましいが、時は連続的に進行しているのであって、時代の区切りなどというのは人間の観念にすぎない。
年号の変遷とは関わりなく、一刻一刻毎日毎日、自分自身を全面的に発揮することを心がけながら、自分を楽しみ、また結果的に人に貢献できるようなことがあればうれしい。

まずは今日これからおこなうボイスセラピー講座を楽しもうか。
そして来月はひさしぶりに、音読トレーナー養成講座を開催するので、今日参加を逃した方はぜひ来月のトレーナー養成講座への参加をご検討いただきたい。

6月14・15・16日:音読トレーナー養成講座
介護予防や健康促進ワークに最適な音読ワークをファシリテートできる「音読トレーナー」の資格を取得するための2泊3日の合宿形式講座を6月14日(金)夜から16日(日)の三日間にわたって、JR国立駅徒歩5分の会場で開催します。

ピアノ七十二候:穀雨/牡丹華(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
穀雨の末候(18候)「牡丹華(ぼたんはなさく)」をイメージして演奏しています。

映像はこちら

5日おきに新曲が配信されます。
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2019年4月27日土曜日

YouTube:現代朗読のワークショップでおこなうこと

名古屋天白〈アロマファン〉でスタートした現代朗読の群読表現「ウェルバ・アクトゥス」のワークショップで、ガイダンス的にいまからどのようなことを稽古していくのかについて説明をおこないました。
その一部を抜粋しています。

現代朗読ではテキストを含む自分の外側の世界に注意を向けるのではなく、自分自身を観察し注目することで表現のクオリティを変えていく練習をします。
このワークショップはスタートしたばかりで、途中参加や単発参加も歓迎です。
次回は5月19日の開催です。

5月19日:現代朗読ワークショップ「VERBA ACTUS(ウェルバアクトゥス)」@名古屋

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連休初日は力を撓める

撓める・たわめる
  固い棒状・板状のものに強い力を加えて全体を曲げる。
  しならせる。たわませる。

観念的ストレスに身体のあちこちがとどこおりがちな現代人にとって必要なのは、まずは「力み」に気づき解消すること。
そのつぎに必要なのは、全体的なつながりのある本来の自分の働きを発揮すること。
いまの私は、その働きをさらに強靱にするための鍛錬へと進んでいけるかどうかが、もっぱらの関心事だ。

ただし、やりすぎてしまうと機能不全を起こしてしまう。
つまり動けなくなってしまう。
また休ませる(回復させる)ことをきちんとしないと、鍛錬どころか故障を起こしてしまう。
もともと故障のある身だし、年齢的な制約も年々増加しているのも事実だ。

この一週間、ちょっとやりすぎた感があるので(身体が不満をあらわしている)、昨日はゆっくり休み、今日は調整から復帰への移行日とする。
というのも、明日と明後日は韓氏意拳の総帥である韓競辰老師の来日講習会に参加するからだ。

明日はさいたま市の(私にとっては)ちょっと不便な場所まで行かなければならないので、早起きする必要がある。
初級講習会が午前9時からと午後2時からのふたコマ。
明後日は東池袋での中級講習会が、やはり午前9時からと午後2時からのふたコマ。

その前に今夜は国立〈キノ・キュッヘ〉でのオープンマイクで、ゼミ生のユウキと野々宮のふたりが出演予定だ。
私はショルダーキーボードをぶらさげて共演参加する。

2日連続の韓競辰老師来日講習会の翌日・4月30日は、午前中からボイスセラピー講座だ。
そのあとはひさしぶりのオーディオブックの収録もスタートする。

力むことなく、自然体でまんべんなく発揮していきたい。

4月30日:ボイスセラピー講座@国立
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を学び、身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。4月30日(火祝)10時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。


2019年4月26日金曜日

10連休だあ?

明日からゴールデンウイークで、日本は10連休に突入するらしい。
年中休みの私にとっては、とくに変わったことはないが、子どもがいる人やお勤めしている人にとっては大きなことなんだろうと思う。
ゆっくり休んでいただきたい。

その一方で、連休なんか関係なく働くという人もいるだろうし、連休そのものを苦々しく感じている人もいるかもしれない。
そのいずれにも共感したいし、なによりまず、自分自身に共感して有意義にすごしたいと思っている(連休に限らないが)。

今日も作業していたのだが、私がいま取りくんでいるまとまった仕事としては、『音読日めくり365日』の電子書籍化だ。
数年前に毎日連載という形でブログに「音読日めくり」を書きつづけ、ついに365日分(うるう年だったので正確には366日分)を書きあげた。
その一部を電子書籍化したのだが、あまりに分量が多くて、3か月分だけ編集して力つきてしまった。
しかも、1か月1冊という形だった。

今回は365日分を一挙一冊にまとめあげてしまおうという計画だ。
紙の本だとおそろしく分厚い、辞書のような本になってしまうだろう。
今日、一月の分を編集したのだが、70ページになった。
12か月分だと840ページになる計算だ。

電子書籍なら840ページだろうが、5000ページだろうが、逆に5ページだろうが、コンテンツとして成立する。
そこがおもしろいところだ。

それにしても、12か月分の編集作業はどのくらいの時間がかかるのか。
連休中に終わるといいのだが。

そんな作業をしていた今日は気温がどんどんさがってきていて、どうやら寒波が来ているらしい。
ずっとコンピューターに向かっていると身体が冷えて、暖房をつけてしまうほどだ。

明日27日はもっとも気温が低くなるらしいが、夜はこのところ恒例の国立〈キノ・キュッヘ〉のオープンマイクにゼミ生といっしょに出演することになっている。
年明けから現代朗読の稽古をしているユウキさんが、私のテキスト「Depth」を読むことになっている。
私はおもちゃのようなショルダーキーボードで共演する予定だ。
いつもの野々宮卯妙も、まだ演目は決まっていないが、参加してくれるはずだ。

ご都合つく方、ぜひ遊びにいらしてください。
こちらのオープンマイクは独特の暖かい雰囲気があって、なんだか居心地がいい、というばかりでなく、インスパイアされることも多いのだ。

2019年4月25日木曜日

ピアノ七十二候:穀雨/霜止出苗(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
穀雨の次候(17候)「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」をイメージして演奏しています。

映像はこちら

5日おきに新曲が配信されます。
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2019年4月22日月曜日

YouTube:NVC「相手に怒りを覚えたとき」

名古屋天白〈アロマファン〉で毎月おこなっている朗読と共感のワークショップで、参加者の質問にこたえたものです。
相手に怒りを感じてしまったとき、それを共感的な態度に変換しなければならないと思いがちですが、まずは自分の怒りの感情にきちんと充分に付き合うこと。
そうすればその感情が生まれた原因であるニーズがクリアになり、ニーズを満たすためには怒りから任せた暴力的な手段ではなく、非暴力の手段がいくらでもあることに気づくことができます。

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2019年4月20日土曜日

ピアノ七十二候:穀雨/葭始生(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
穀雨の初候(16候)「葭始生(あしはじめてしょうず)」をイメージして演奏しています。

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5日おきに新曲が配信されます。
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2019年4月16日火曜日

テキスト入力作業におけるキーボード問題

私はものを書くことが仕事のかなりの部分を占めている。
ピアノを弾いたり、個人セッションをおこなったり、ワークショップや勉強会をファシリテートしている以外のときは、ほとんどがコンピューターに向かっているといってもいい。
コンピューターでは音声や動画編集、ネット作業などもするが、メインは文字入力——つまり文章執筆といっていい。

毎日、大量の文章をタイプする。
はっきりいって、好きでやっている。
中毒といってもいいくらいだ。
ものを書けない日があったりすると、いちじるしくストレスがたまる。
うんこしたいのにトイレをがまんしているような感じになる(たとえが尾籠で申し訳ない)。
いや、文章がうんこだといっているわけではないよ(結果的にそのように評価《ジャッジ》されることはあるにせよ)。

タイピングは速い。
なにしろピアニストだからね。
もちろんブラインドタッチだが、かな入力モードで打っている。
それなのに、変態的といわれるが、キーボードはUS配列でカナは印字されていない(だれも私のコンピューターを使うことはできない)。

かつてのデスクトップやMacBookはごついキーボードを装備していて、そのタッチやストロークにこだわる人も多かった。
私も打ち心地には気を使っていたが、MacBookProがメインマシンになり、それが年々薄く軽く高性能になっていくにつれ、そちらに合わせるようになってしまった(昔のMacBookProのキーはごつくてしっかりしていた)。
つまり、キーの打ち心地より、マシン性能と持ち運びやすさ、そしてかっこよさを優先するようになってしまったのだ。

最近、自分のタイピングが以前のようにストレスレスではないことに気がついた。
ミスタイプが多いし、スピードも遅くなっている。
時々いらいらする。

これはいかんということで、キーボードを外付けにしてみてはどうかということを検討しはじめた。

アップルにはiMacで使うための純正のブルートゥースキーボードがある。
マジックキーボードという。
iMacを所有してそれでオーディオブックの収録をおこなっていたときは使っていた。
その使い勝手はよくわかっている。
やはりストロークが浅くて使いにくいのだ(薄くてかっこいいけど)。
最近のMacBookProのキーボードとあまり変わらない。

純正ではないメーカーの外付けBluetoothキーボードを家電量販店で触ってみた。
たとえばエレコムとかロジクールといったメーカーのものがある。

ストロークが深くてしっかりしているものは大きくて重い。
とても持ち運べるものではない。
小さくて軽く持ち運びやすいものは、ストロークが浅かったりキーピッチが狭かったりして打ちにくい。
どれも帯に短したすきに長し、なのだ。
そして安いものはそれなりに安っぽい、ペタペタ、ふにゃふにゃと頼りない感じがする。
これ、というものにはついに出会えていない。

キー入力にはストレスがあるが、音声入力はかなり使えるようになってきている。
こちらは慣れれば本当にさくさくとすばやくものを書くことができる。
ただし、人がいる場所では使えない。
部屋でひとり、声を出せる場所なら、これはなかなかいいのだが。

ただし、小説のような身体性をもって集中するような執筆作業において、これまでつちかってきたカナキー入力という手段からおいそれと音声入力に移行できるものなのかどうか、が問題。
原稿用紙に手書き、から、ワープロのキー入力への移行だって大騒ぎだったのだから。

5万人に読まれている共感的コミュニケーションの本

先日、ふと思いたって、私が「自力出版」している電子書籍の統計データを見てみた。
このところの新刊はほとんどアマゾンKindleから配信していて、コンスタントに読んでくれている人がいるようなので、正確な数字を知りたくなったのだ。

とくに『共感的コミュニケーション』は2017版、2018版、2019版と、毎年つづけてリリースしてきたので、どのくらいの人が読んでくれているのか、知りたくなった。

もちろんKindle本は売れた数に応じて毎月アマゾンから振込がある。
それとは別に、サブスクリプション制といってもいい「unlimitted」という読み放題の制度もある。
これは月定額を支払った人、またはプライム会員向けに、対象になっている本なら無料で好きなだけ読める、というシステムだ。
私の本もこのシステムで読めるようにしてある。

Unlimittedの売り上げの計算方法は複雑で、ブラックボックスに近いのだが、ようするに定額会員やプライム会員から集まった総額をページビューに応じて各書籍ごとに分配率を算定し、著者にペイバックするというシステムだ。

こちらの数字が増えつづけていて、ダウンロード販売よりずっと多くの人が読んでくれている。
私の『共感本』の場合、3冊あわせて3万5千近い読者がいることがわかった。
Unlimitted制度がはじまる前の分と合わせれば、たぶん5万近くの人に読んでもらっているだろうと思う。

これはうれしいことだ。
活字本で3万部を売るのはかなり大変だ。
しかも著者印税は1割に満たない。
本を書くという労力に比して著者への報いはとてもすくない。

もうKindleでいいじゃないか、という気に充分になる数字だ。
どうしても紙の本がいいという人は、オンデマンドで印刷製本して送ってくれるサービスもアマゾンが提供しているので、それを使うこともできる。

なんだか明るい気持ちになってきた。
私・水城ゆうがこれまでリリースした電子書籍のリストはこちらにまとめてあるので、一度ご覧ください。

2019年4月15日月曜日

国立春野亭での現代朗読ゼミはほぼ個人レッスン

今年にはいってから岐阜・各務原の〈花寧香くらぶ〉での勉強会は、朗読や身体ワークの割合が増えて、共感カフェから水城ゼミと名称が変わった。
名古屋・天白〈アロマファン〉も朗読表現を通しての学びに切り口を移行して、先日から現代朗読〈ウェルバ・アクトゥス〉ワークショップと名称変更した。

いずれもみなさんに喜んでいただき、回を重ねるごとに参加者の学びも深まり、私もうれしいかぎりだ。

一方、東京・国立〈春野亭〉でおこなっている現代朗読ゼミは参加者があまり増えず、現在はほぼ個人レッスンとしておこなっている。
これはこれできめこまかな学びの時間ではあるが、何人かいなければできないこともあって、ゼミ生のユウキさんはわざわざ名古屋の会に参加したくらいだ。

たまに体験参加の人が来ることがあるが、たいていは「朗読」のイメージとあまりにかけ離れた内容に驚いてしまうのか、リピート参加はとてもすくない。
一般的な朗読講座とはまったくちがうといえばそのとおりだが、このゼミでやっている方法がすぐれた表現者を生み出す王道だろうと私は確信しているのだ。

何人か来てくれればありがたいが、個人レッスンも悪くはない。
朗読といっても人それぞれニーズが違う。
それぞれのニーズに丁寧に対応するのに個人レッスンが適している。

朗読にからんだニーズとして、朗読会などのライブに出たいというほかに、オーディオブックを収録したい、音楽と共演したい、YouTube動画を作ってみたい、などがある。
ゼミはこれらに対応している。

とくに最近、YouTubeにさまざまな切口の番組や動画が登場してきていておもしろいので、朗読がらみでもなにかできないかと思っている。
また、長年得意とするところのオーディオブックを、また定期的に、一定量のボリュームをもって配信していきたいとも思っている。

ゼミと連動しているオーディオブック製作会社のアイ文庫は、そのコンテンツを当初から音訳本ではなく、朗読者の表現作品として作りつづけ、送りだしてきた。
いまだにその価値は高く評価されているが、過去に作ったものはiTunesやアマゾン・オーディブルの数多い音訳本に混じって埋もれがちになってしまっているのが残念だ。
今後は配信方法に工夫をこらしていきたいとかんがえている。

写真は前回のゼミ後、ゼミ生といっしょに行った近所のそば屋の辛みせいろ。
なかなかよいそば屋があるのです。
そんな感じで仲よくわいわいとやっています。
仲間募集中。

4月21日:臨時朗読ゼミ(水城ゼミ)
ゼミ生が個人レッスンを受けるタイミングで臨時の現代朗読ゼミを開催します。現代朗読については水城ゆうブログ「水の反映」の「現代朗読」ラベルをご参照ください。4月21(日)10時半から約2時間。

名古屋天白アロマファンでのウェルバ・アクトゥスWSがスタートした

2019年4月14日、午後。
名古屋市天白区にある水野生惠さんの民家スペース〈アロマファン〉で、現代朗読の群読グループ〈ウェルバ・アクトゥス〉のワークショップが開催された。

これまで月に一回のペースでおこなってきた共感的コミュニケーション(NVC)の勉強会「共感カフェ」の延長線上にあるものだが、NVCが朗読とどう関係があるの、と思われる方も多いのではないかと思う。

長年NVCの学びの場に関わってきて痛感するのは、
「身体感覚が大事、マインドフルネスが重要、いまここにある自分の身体が教えてくれる感情とニーズをとらえること」
とさまざまな講師やトレーナーがことあるごとに強調するのだが、それを聞いてもなかなか実践できる人はいないということだ。
「NVCはことばではなく身体感覚」
などともいうが、いわれてみても雲をつかむような話で、なかなか理解できないし、実際にどうやって練習し、身につければいいんだろうと途方に暮れる人が多い。

とはいえ、まったくアプローチの方法がないわけではない。
そのなかのひとつが、朗読というだれでもできる表現行為を通じて自己共感、身体感覚、マインドフルネスをすばやく把握できることを私は発見し、確信している。
実際にやってみるととても有効な方法であることがわかる。

なので、まず自分自身を観察し、とらえ、繊細な感受性をはぐくみ、安定した自己共感のなかで、自分と他者を受け入れつながるための非暴力の方法を身につけ、さらには自分自身の生命を表現する、という道すじが見えている。

天白アロマファンでは毎月ワークショップを重ね、最終的にはなんらかの発表の場を持ちたいと思っている。
また映画撮影もおこなわれていて、ワークショップの過程と最終発表がそのまま映画作品になる予定だ。
伊藤勇一郎くんが意欲的に取りくんでくれている。

とはいえ、最終発表が唯一の目的ではない。
毎回の稽古(エチュード)によって自分自身の理解やつながりをより深め、確固たる自己共感を深めてもらうことが大切だ。
毎回のエチュードは、最終的にコラージュされたものがステージ作品となる予定だ。

毎回出られる人も、毎回は出られない人も、あるいは出たくない人も、すべての人の事情やペースが尊重される。
シナリオはそのような工夫のもとに書かれる予定だ(私が書くんだけど)。

この方法は何年か前に名古屋でおこなったワークショップ公演にもとづいている。
2年つづけておこなった公演は、最初の年が名古屋芸術創造センターで『KENJI』を、つぎの年は愛知県芸術文化センターで『GINGA』だった。
今回はそこまで大きな公演にするつもりはない。
しかし、内容的には過去とはずっと進化/深化したものになるだろう(実際すでになっている)。

従来の朗読の稽古とはまったくことなった体験に興味がある方は、一度参加してみてほしい。
朗読どころか、演劇やダンスや音楽の稽古ともまるでちがっている。
最近多く開催されているNVCのどの講座ともちがう。

未知の自分、未知の体験、予測できないことにチャレンジしてみたい人は、どなたも歓迎する。

5月19日:現代朗読ワークショップ「VERBA ACTUS(ウェルバアクトゥス)」@名古屋
名古屋で現代朗読と非暴力コミュニケーション(NVC)をコラボレートしたワークショップを毎月開催し、最終的に小規模の公演(ミニライブ)をめざします。全日程に参加する必要はありません。


ピアノ七十二候:清明/虹始見(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
清明の末候(15候)「虹始見(にじはじめてあらわる)」をイメージして演奏しています。

映像はこちら

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2019年4月12日金曜日

私の読者と読者の私『ジョコンダ夫人の肖像』

NVC仲間の栗山のぞみから勧められて、E・L・カニグズバーグというアメリカの作家の『ジョコンダ夫人の肖像』を読みおえたところだ。
『クローディアの秘密』という本を書いた人で、その本のことは知っていたけれけど、読んだことはなかった。
女の子が読む本だと思っていたからだ。

でもそれは嘘だ。
というか、勝手に私がそう思いこんでいただけだけで、だれもその思いこみを正してくれなかったのがうらめしい。

しかし栗山のぞみがいた。
彼女はプロのライター(書き手)だけど、優秀な読み手でもある。
なにしろ私が書いたものも喜んで読んでくれる希少な読者だ。

最初に読んだ本のことで一致して盛り上がったのは、たしかアゴタ・クリストフの『悪童日記』だと思う。
もちろん世界的にも評価されている作品だし、まちがいなく傑作なんだけど、感じいる部分が似ていて、共通の価値観を感じたのだった。

その後もいくつかの作家や小説について共通の話題があったり、お互いにおもしろ本を勧めあったりしてきた。

先日なにげなく、これまで読んだなかで一番すばらしいと思ったのは……という話になった。
栗山のぞみの口から、「彼方なる歌に耳を澄ませよ」という本のタイトルが出てきた。
あれ、どこかで聞いたことあるぞ。
それって、私が世界中で一番好きな作家アリステア・マクラウドの唯一の長編のタイトルじゃない。
まさかどんぴしゃり、その本の名前が出てくるとはびっくりした。

アリステア・マクラウドはカナダの寡作な作家で、ほかには『冬の犬』と『灰色の輝ける贈り物』の2冊の短編集が出ているきりで、どちらも文句なしにすばらしいのだ。
そんな彼女から勧められた本を読まないわけにはいかないじゃないか。

そして彼女が家から持ってきてくれた『ジョコンダ夫人の肖像』と『ぼくと(ジョージ)』を読みはじめたというわけ。
……(なんでジョージに()がついているんだろう?)

『ジョコンダ夫人』はレオナルド・ダ・ヴィンチの話で、ダ・ヴィンチの弟子だったサライの視点で描かれている。
ふたりが愛したベアトリチェという女性が重要な役割で登場する。
タイトルはリザ・ジョコンダ、つまりモナリザのモデルになった女性のことだが、彼女は最後の1ページでようやく登場する。
そしてなぜジョコンダ夫人が最後に登場するのか、そのわけは最初から読んでいくとわかるようになっている。

断じて子ども向けの読み物なんかじゃない。
もちろん子どもが読んでもいいんだけど、もし私が子どものころに読んでいたとしたら、それなりにおもしろく読んだと思うけれど、いま読んだこの感じや理解とはほど遠かったことだろう。
そして、きっと何年かたってまた読みかえしてみると、さらに違った読み方ができるんだろうな、という確信がある。
それほど人間を深く描いているし、人間のおもしろさをさまざまな側面から描いている。
私はとてもこんな風には人間を描けない、脱帽。

つぎは『ぼくと(ジョージ)』を読んで、そのあとはいま届いたばかりの『ティーパーティーの謎』を読もうと思っている。

2019年4月11日木曜日

立川散歩

隣駅の立川に〈ととホンテン〉というラーメン屋があって、一度行ってみたいと思っていた。
天気がよかったので、歩いて行ってみることにした。
距離4、5キロといったところ。
約1時間。

歩くとき、韓氏意拳の駒井先生から教わって「グーパー」を意識してみた。
人は運動するとき、それが自然な運動であれば身体全体が連動して働き、ある程度のまとまりが生じている。
そのまとまとりの密度が高くなれば運動強度も高くなるし、密度が低くなれば強度もさがる。
歩くときなども、一歩一歩、まとまりの強度が強まったり弱まったり、比喩的に表現すれば「グー」と「パー」の状態をリズミカルに繰り返している。
走るときはもっとリズムがタイトになり、運動強度も高くなる。

このように自分自身の身体の働きを観察しながら、ただ歩くだけでも楽しい。
ずっと自分といっしょに、そして移動することで変化していくまわりをも感じながら、マインドフルな散歩の時間を味わう。

〈ととホンテン〉のラーメンはなかなかおいしく、しかしやたら気取ったところのない気楽な店で、また行ってみようと思った。

そのあと、立川駅前のビックカメラをぶらつき、駅ビルで買物して、電車で国立にもどってきた。
大学通りから移転したアイスクリーム屋の〈もうもう広場〉に寄って、ソフトクリームを食べて帰った。

身体文章塾はその役割を終えます

長年ご愛顧いただいてきた身体文章塾ですが、今月をもって終了することにしました。
今年にはいってからは参加無料の、どなたも参加できるオープン開催にしましたが、終了前トライアル期間として充分に時間もいただいたと判断しました。

身体文章塾の前身の次世代作家養成講座、さらにその前の現代朗読テキスト表現ゼミ、さらにさらにずっとさかのぼれば1980年代末からの小説工房と、多くの書き手の皆さんと関わってこれたことは私にとって貴重な経験でした。
多くのすぐれた書き手やすぐれた作品が世に出ていくのをたくさん目撃しました。

職業作家がそのような場に関わることによってうしなったものもたくさんありますが、得たものも限りなくあって、そのことをいまお祝いし、味わいたいと思います。

これからは最終ステージに向けて、リソースを自分の収穫のために割こうと決めました。
ご理解いただければ幸いです。
また作品のなかでお会いしましょう。

2019年4月10日水曜日

ピアノ七十二候:清明/鴻雁北(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
清明の次候(14候)「鴻雁北(こうがんかえる)」をイメージして演奏しています。

映像はこちら

5日おきに新曲が配信されます。
よろしければチャンネル登録をお願いします。

2019年4月8日月曜日

映画:LOVE DEATH + ROBOT

NETFLIXオリジナルのアニメーション・アンソロジー集。
デヴィッド・フィンチャーとティム・ミラーが製作総指揮、監督もティム・ミラー。
2019年3月公開。

アニメーションはCGと手描きの2種類が混在している。
CGアニメーションは、
「えっ、これCGなの?」
と疑いたくなるほどのクオリティの高さ。
とくに役者の表情や動きが生身の人間の役者とまったく遜色のないものが混じっていたりする。

全部で18本の短編がならんでいて、短いものは6分、長いものでも17分という短編集。
人間の役者とまったく変わりないCG表現になっているのは、そのなかでも「わし座領域のかなた」や「シェイプ・シフター」などの作品。
見ればわかるが、もう役者いらないよね、と思ってしまうことを抑えるのはむずかしい。
いわれなければCGだと気づかない人は多いんじゃないだろうか。

ストーリーもアダルトなもので、暴力的、性的表現がふんだんに、容赦なく盛りこまれている(子ども視聴禁止)。
たぶんそこのところを意識的に切りこんでいるのだろう、デヴィッド・フィンチャーならでは、ということで。
暴力と肉体は「ファイトクラブ」に代表されるフィンチャー映像のテーマである。

それぞれのストーリーには一貫性はなく、テーマも手法もさまざま。
というかバラバラ。
それゆえに、
「次はなにが出てくる?」
という楽しみ方もできる。

これはみじかい作品ばかりだが、ここからなにか得体の知れない、私たちがいま予測もつかないような映像作品が出てくるような予感が、しないでもない。

2019年4月7日日曜日

新年度に動きだした音読と現代朗読

昨日はボイスセラピー講座で、今日は現代朗読ゼミだった。
いずれも「なにかを読む」「身体に注目する」というアプローチで似たようなことをやる。
ただし目的がちがう。

ボイスセラピーは自身の健康法であり、また社会貢献のための手段でもある。
現代朗読は表現を追求するなかで自分自身を知る方法だ。

ボイスセラピー——すなわち音読療法は、6月にあらたな音読トレーナーを養成するための集中合宿をおこなう予定だ。
それと同時に、音読療法士という最終資格者の認定のためのアセスメントをおこなうことにもなっている。
音読療法の仲間たちがあらたな段階へと展開していくのは、とてもうれしくありがたい。

現代朗読の東京メンバーはいまのところ少ないのだが、中京方面では動きがある。
非暴力コミュニケーション(NVC)をベースにした現代朗読の連続ワークショップを月に1回のペースでおこない、最終的にライブステージを作って発表しようという企画だ。

この企画では映画製作もどうじにおこなわれる。
ワークショップの模様を随時撮影し、また最終ステージも記録し、それを映画にまとめようという計画だ。
映画監督の伊藤くんが助手や役者を引きつれてワークショップに参加してくれることになっている。
また名古屋のワークショップまで東京のゼミメンバーや朗読者の野々宮がわざわざ参加してくれることにもなっている。
どのような場になるのか、私も大変楽しみにしている。

途中参加、飛び入り参加、あるいは全日程の参加ももちろん歓迎なので、興味のある方はまず参加してみてほしい。
内容についてくわしく知りたい方は、私に直接声をかけていただきたい。

4月14日:現代朗読ワークショップ「VERBA ACTUS(ウェルバアクトゥス)」@名古屋
名古屋で現代朗読と非暴力コミュニケーション(NVC)をコラボレートしたワークショップを毎月開催し、最終的に小規模の公演(ミニライブ)をめざします。全日程に参加する必要はありません。

6月14・15・16日:音読トレーナー養成講座
介護予防や健康促進ワークに最適な音読ワークをファシリテートできる「音読トレーナー」の資格を取得するための2泊3日の合宿形式講座を6月14日(金)夜から16日(日)の三日間にわたって、JR国立駅徒歩5分の会場で開催します。

2019年4月5日金曜日

ピアノ七十二候:清明/玄鳥至(YouTube)

日本の二十四節気七十二候にちなんだピアノの即興演奏です。
清明の次候(13候)「玄鳥至(つばめきたる)」をイメージして演奏しています。

映像はこちら

5日おきに新曲が配信されます。
よろしければチャンネル登録をお願いします。

2019年4月4日木曜日

映画:ライフ

2017年公開の合衆国・イギリス合作映画。
監督はスウェーデン出身のダニエル・エスピノーサ。

ひさしぶりに映画でも観てみようと思って、なにげなく観はじめたら、あまりの怖さにふるえあがった。
SF映画を観ようと思ったのだ。
とくに宇宙特撮ものは好きで、日常世界から遠くに、しかしリアルな映像で連れていってくれる。

最近は特撮というよりCGの技術が成熟したので、地上では撮影できないようなカットもどんどん映画にできる。
宇宙船やエイリアンの造形もそうだ。

この映画は宇宙ステーション(ISS)のなかが舞台になっている。
火星探査機が地質サンプルを持ってISSに帰還するのだが、途中で小惑星帯に接触して故障したままもどってくる、それをキャッチする、というシーンからスタートする。
冒頭のスリリングな長回しっぽいシーンなのだが、「ゼロ・グラビティ」を彷彿とさせる。
おそらくCGスタッフやスタジオは共通のものなのかもしれない。

そのあと、サンプルのなかに冬眠中の生命体を発見し、それを培養しはじめる。
それがどんどん成長していき……
あとはお決まりのエイリアンストーリーに展開していくのだが、展開や映像、そして役者がなかなかよくできていて、わかっているのに非常にスリリングな気持ちで見続けることができる(逆に気の弱い人は見続けることが困難だろう)。

俳優陣もいい。
日本人の真田広之が出ているのだが、すっかりハリウッド俳優となってなかなかがんばっている。
主演はジェイク・ジレンホールということになっているのだが、助演女優のレベッカ・ファーガソンのほうが主演といってもいいくらいだと思う。

ただ、エンディングがあまりに救いがない。
これは彼女が主演といえない理由にもなっているのだが、かといってジェイク・ジレンホールが堂々と主演といえるストーリーなのかというと、私にはそうは思えない。

制作側の思惑がこのようなバッドエンディングに落ち着いた理由なのだろうが、私が監督だったら絶対にもっとちがう展開にするだろう。

まあしかし、全体としてよくできた映画で、怖い映画が苦手ではない人ならかなり楽しめるといっていいだろう。

2019年4月3日水曜日

ボイスセラピー講座と音読療法士の誕生(まもなく)

先月3月のボイスセラピー講座は、岡山県からはるばるやってきて参加してくれた大学生の男子と、みつばち部の仲間のえみさんのふたりだった。
参加者はすくなかったが、講座開催とおなじタイミングで持ちあがったうれしい話があった。

北海道の弟子屈町で活動している音読トレーナーの藤原直美が、そろそろ正式なアセスメントを経て音読療法士の資格を取得してもらおう、という話だ。

音読療法士という資格を持っているのは、現在、野々宮卯妙ひとりだ。
これは音読療法の体系をすべて理解し、またグループワークや個人セッションにも必須の共感的コミュニケーションについても十分な習得が進んでいる必要がある資格で、だれにでも渡せるものではない。
といって、そのための特別な講座やテストがあるわけではない。
すでに音読療法士となっている者と、音読療法のファウンダーである私がアセスメントをおこない、そのプロセスを経て認定されることになっている。

これまで野々宮につづく者がなかなかいなかったが、このたび藤原直美が資格認定候補となったことは、まことにめでたく、うれしいことだ。

話をもどすが、今回のボイスセラピー講座に参加してくれた男子学生は地元での就職が決まっていて、その仕事に音読療法を活かしたいのだという。
先日訪問したドイツ・フライブルクでも、数年前音読トレーナーになった遠藤なおみが彼の地で高齢者介護施設での音読ケアワークをつづけてくれている。
一昨年音読トレーナー資格を取得した石原まなみも、独自に音読カフェを開催している。

こんなふうにすこしずつではあるが音読療法の場が広がり、継続しつつあるというのは、本当にうれしいことだ。
そしてついに新音読療法士の誕生が近い。

音読療法士候補の藤原直美は、6月の音読トレーナー養成講座に参加してくれることになっている。
音読トレーナーや音読療法士をめざす人はぜひ参加してみてほしい。
また、トレーナー養成講座の受講資格要件となるボイスセラピー講座も、今週末・4月6日に開催することになっている。
こちらも都合をつけてご参加いただきたい。

4月6日:ボイスセラピー講座@国立
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を学び、身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。4月6日(土)10時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催。

6月14・15・16日:音読トレーナー養成講座
介護予防や健康促進ワークに最適な音読ワークをファシリテートできる「音読トレーナー」の資格を取得するための2泊3日の合宿形式講座を6月14日(金)夜から16日(日)の三日間にわたって、JR国立駅徒歩5分の会場で開催します。

2019年4月2日火曜日

YouTube:ベルリン、ポツダム広場周辺の文化施設など

2019年3月20日、ドイツ・ベルリン市街地を、宿泊先のホテルのある動物公園からポツダム広場にかけて散歩しました。
ポツダム広場周辺には美術館や博物館などの集合文化施設が集まっています。
いくら時間があっても見きれないほどでした。

映像はこちら

2019年4月1日月曜日

新刊電子書籍『なぜ私はここに来たのか』配信スタートしました

すでにお知らせしましたが、アマゾンKindleから新刊電子書籍『なぜ私はここに来たのか——ドイツ演奏旅行記』をリリースしました。
以下、まえがきとしての「はしがき」を紹介します。

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 有効期限十年のパスポートがとっくに切れてしまっているくらいだったから、今回の旅行以前に海外に旅行したのははるか前――すくなくとも十年以上前のことだ。
 タイだったか、中国だったか。そのどちらかだったことはたしかだ。
 ヨーロッパとなると二十代前半のことだから、四十年近く前、ということになる。そのときはパリ、ジュネーブ、ロンドンをめぐる観光ツアーだった。
 私のまわりには、とくに非暴力コミュニケーション(NVC)にたずさわる人が多く、彼らはしょっちゅうアメリカ合衆国を中心に海外と日本を行き来している。しかし、私は経済的ないいわけを装って旅行のチャンスを作る意志を持たなかった。なにかがブロックになっていたんだろう。
 今回、ふとしたきっかけでドイツに行ってみようかということになり、調べてみるととても安価で行けることもわかった。とはいえ、航空運賃だけでなく、宿泊費や、その間私のようなフリーランスは収入が途絶えるわけだから、ハードルがまったく低いわけではなかった。
 思いきって行ってみようかなと思っているときに、フライブルク在住の音読トレーナー・なおみさんから「日本文化の日」イベントでのピアノ演奏の話をいただいた。一気にハードルがさがり、渡独が決まった。

 文中でも書いたが、実際に行ってみると、私のなかにあったさまざまなブロックやわだかまりや、概念的な思いこみがパタパタとはずれ、帰国したときにはとても身軽になっているのを感じた。
 本当は行ってみたいと思っているところに行けない、行かない状況がつづくと、自分のなかにある種の概念がふくらんでしこりのようになってしまう。実際に行動してみると、そんなものは概念であって存在しないことがわかる。
 今回の私の旅での最大の収穫は、
「なぜ私はここに来たのか」
 という原理的、根源的な問いに立ちかえれたことだろう。そしてその答えはとても明確になった。
 答えがえられたあとは、
「ここに来る必要すら本当はなかった」
 ということに気づけたのだが、結局来なければ気づけなかったという矛盾がそこにはある(笑)。
 ドイツに旅行することも、日本の自宅でただじっとしていることも、北京空港で走りまわっていることも、結局はただ一度きりの人生という大きな旅の一部分でしかなく、その瞬間瞬間を味わうことしかできないのだ。というより、味わうことの喜びが私にはあたえられているのだ、ということがいまはわかった。
 いまこの瞬間も、キーを打ちながら旅している身として、これを記す。
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