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2016年11月30日水曜日

次世代作家養成ゼミ最終回の感動

長らくつづけてきた「次世代作家養成ゼミ」の最終回が終わりました。
現代朗読協会の「テキスト表現ゼミ」としてスタートしたこのゼミがいつからはじまったのか、記憶がさだかではないんですが、その最初期からのメンバーの奥田くんがいまだに参加してくれていて、今回も参加してくれました。

今年になってあらたに参加してくれるようになった知念さんは、驚愕の「作家性」で、私がかつてニフティサーブで開設していた「小説工房」であらたな才能を発見したときと同様、いやそれを上回る可能性を感じさせる人で、おなじ書き手として嫉妬を覚えるほどの同世代作家ですが、今回も参加してくれました。
小説工房のときと同様、すばらしい書き手だという発見が世間に伝わるまでにはかなりの時間がかかるのがもどかしいですが(小説工房のときに見つけた書き手がいまではベストセラー作家になっていたりしますが)。

つい最近、参加するようになって、とても熱心に私のアドバイスを受け取って、書きなおすたびにめきめきと上達しているいづみさんも参加してくれました。
そして、今回が二回めの参加とはびっくりするほどなじんだ感じで、ふぅさんも参加してくれました。

奥田くんはずっとエンタテインメント小説としては重いストーリーに取りくんでいて、それはおそらく長編に近いものになると思われますが、しぶとく書きついでいます。
小説技法を身につけているということでは、いまどき書店にならんでいるベストセラー作家のはるか上を行くものがあると思いますが、いまはさらにむずかしい挑戦をつづけていて、お話のつづきが読みたくてこちらもうずうずするのです。
がんばって書きとおしてほしい。

知念さんは今回、私から、セリフを極力抑えたものを、という注文をつけられていて、それに挑戦した物語となっていました。
夜の病院を舞台にした物語ですが、それは静謐な、それでいて力強い、人々のつながりといとなみを淡々と感じさせるようなすばらしいものを読ませていただきました。

ふとかんがえてみると、私が職業作家として長編小説を徳間ノベルスからリリースしてデビューしたのが1986年でした。
今年2016年はそれからちょうど30年めにあたるのでした。
長いあいだ書きつづけてきました。
これからも書いていくんでしょうね。

でも、これからどのようなものを書いていくのかは、自分でもまったく予想ができません。
そのことは楽しみでもあり、不安でもあります。
この感じを共有できる場として、次世代作家養成ゼミが終了したあとにできる作家集団〈HiYoMeKi〉があるかもしれないと思うと、かなり楽しみです。

ものを書いて表現するという作業は、もちろん個人的なものであり、孤独をともないますが、同時にその孤独の感触を共有できる仲間がいるというのは豊かな感じがあります。
「個」であることと「つながり」があること。
これがテキスト表現の仲間によって約束されることは、私にとって希望です。

2016年11月29日火曜日

【YouTube】朗読と音楽のセッション「編む人」@吹田〈モモの家〉

2016年11月19日。
大阪・吹田の〈モモの家〉にて、朗読とピアノと琵琶演奏によるライブパフォーマンスの会をおこないました。
後半の朗読と、琵琶&ピアノの即興演奏によるライブセッションの模様を、全編ノーカットでお送りします。

 朗読テキスト「編む人」作・水城ゆう

 朗読 野々宮卯妙
 琵琶 片山旭星
 ピアノ 水城ゆう

映像はこちら

名古屋ワークショップ参加者の声

先日、11月23日に名古屋でおこなった現代朗読の表現と音読療法(共感的コミュニケーション)のワークショップに参加した方から、感想をいただきました。
ご紹介させていただきます。
なお、12月3日(土)には音読療法の全体像を学び、身につけることができる講座を開催します。
興味のある方はご参加ください。

◎私にとって、自分の心と体に聞くという事は本当にむずかしい事です。自他共に認める、人の目、回りを気にして、生きて来た人間です。親しい友人には「○○ちゃんは無理に窮屈な靴下をはいている様に見える」と言われた事もあります。
今日は本当に自分を開放する事ができました。自分を見つめる、大変な事ですが、遅ればせながら気づかせて頂いたので、これから少しづつ考えて実行していきたいと思います。今日は来てよかったです。ありがとうございました。

◎ネコじゃらしであそんでいる猫。猫は外に反応しまくっているおバカさん(=だから可愛い)と思っていた。But、もしかして……フロー・ゾーン状態?
貴重な切り口を知れて嬉しい。「べきである・ねばならない」ではない時間。その反面「ダメ出し・誉め」が欲しくなったり、自由を満喫している人をうらやんで、そこまで自由はやり過ぎじゃん! と非難する心が生まれたり……
んー、カト期な気分。とにかく……来て良かった! 教えてくださり感謝! 続けて広めてくださること祈る!

◎自分に問いかける、自分がどこをどう読みたいのか自分から始める。人の声に耳を傾ける。自分を合わせる。はずれていきたい自分、同じくならないようにする自分をなんとかしようとする自分。まずは自分に問いかけること。読むうちに合わせるうちに、優しい気持ちになる。共に感じること、表現すること。今日受けとったことです。

◎意識を動作に向けると体と声が自由になる? のかも? コントロールしようとする自分を手放す感覚が(少しだけですが)体感できた瞬間があり、その時の感じと、出た声が、ああ、こういう声で話したかったと思えたのが、今回のWSでの最大の収穫でした。

◎インプロのWSに参加したことがあり、それが楽しかったのですが、今回はそれを上回る面白さでした。ありがとうございました。

◎お経の朗読から声が出るようになりました。おもしろい。おもしろかった! 自由! 自分を見つめ、感じ、人の声を聞き、自然と出る声と動く事のたのしさ♡ ありがとうございました。

◎いつも自由でいたいと思いながらも、大人としての役割の演じ続けるうちに、どこかで自分らしくないと考えてしまう今日この頃、とても「自由」な自分にかえることが出来ました。ありがとうございました。

年末に自分とつながる五日間連続講座(単発参加可)(12.26-30)
水城ゆうが現代朗読、音読療法、共感的コミュニケーション、マインドフルネス、音楽瞑想、そして武術・韓氏意拳をとおして長年つちかってきたノウハウを統合させた、集大成ともいうべきワークを、この年末に連続で開催します。

2016年11月27日日曜日

上司が尊敬できない人だとつらい?

仕事をつづける上で、上司が尊敬できない人だとつらい、という人がいます。
逆に、
「そんなの関係ない。上司が尊敬できようができまいが、仕事をする上ではなんの支障も感じない」
という人もいます。
あなたが後者だったら、この記事はスキップしていいでしょう。

前者の場合、一見「尊敬のニーズ」があるように見えます。
つまり、だれかを尊敬したい、尊敬に値する人がまわりにいてほしい、というニーズです。
しかし、これはニーズではありません。

ニーズはよく「手段」と取り違えられます。
ニーズは「ある手段」によって満たすことができますが、その手段そのものをニーズだと思ってしまうことがよくあります。
たとえば、「お金」という手段があります。
とてもパワフルな手段なので、いろいろなニーズを満たすことに使えますが、お金そのものはニーズではありません。
お金はあくまで、なにかのニーズを満たすための手段なのです。

「尊敬のニーズ」というのも、ニーズだと思っていますが、なにかのニーズを満たすための手段です。
だれかを尊敬することによって、あるいは尊敬できる人が自分のまわりにいることによって、どんなニーズを満たそうとしているのか、どんなニーズが満たされるのかを見てみる必要があります。

上司が尊敬できる人だと、なにか刺激を受けるのでしょうか。
インスパイアされますか?
尊敬できる上司の存在に触発されて、あなたも存分に能力を発揮したり、発見があったり、もあるいは成長したりできますか?
もしそうだとしたら、上司にかぎらず、尊敬できる人がまわりにいることであなたのニーズは満たされるかもしれませんね。
つまり、あなたのニーズは刺激、触発、発見、成長などで、そのことを「尊敬できる人」がまわりにいることで満たそうとしているわけです。

いずれにしても、そういう場合、上司にしろそうでないにしろ、あなたが心から尊敬できる人が職場にいないとしたら、ちょっと残念な感じになるかもしれませんね。

カフェ・オハナ(三軒茶屋)で共感的コミュニケーション(12.5)
恒例の三軒茶屋〈カフェ・オハナ〉での共感的コミュニケーション・ワークショップ。朗読と音楽のミニライブ付き。参加費1,000円+ワンオーダー。

2016年11月26日土曜日

年末に自分とつながる五日間連続講座(単発参加可)

ドナルド・トランプの合衆国大統領就任が決まり、TPPの行方も不透明になってきた2016年末、この不安定で行き詰った時代を乗りきるためには、自分とつながり、見失わず、安定しながら、あなた本来の活力を発揮できることが必要になっています。
そのためにできること、水城ゆうが現代朗読、音読療法、共感的コミュニケーション、マインドフルネス、音楽瞑想、そして武術・韓氏意拳をとおして長年つちかってきたノウハウを統合させた、集大成ともいうべきワークを、この年末に連続で開催します。

連続講座なので通して参加することをおすすめしますが、都合があわない方は単発や抜けがあってもそれなりの学びと気づきがあることと思います。

以下、ご案内です。
疑問点、気になる点などあれば、遠慮なくおたずねください。

◆1日め 12月26日(月)19時から約3時間
「音楽瞑想ワークで自分とつながる」

◆2日め 12月27日(火)19時から約3時間
「朗読と身体表現で自分とつながる」

◆3日め 12月28日(水)19時から約3時間
「音読療法で自分とつながる」

◆4日め 12月29日(木)19時から約3時間
「共感的コミュニケーションで自分とつながる」

◆5日め12月30日(金)19時から約3時間
「自分とつながるテキストライティング」

◎場所 JR国立駅徒歩5分の会場
    参加申し込みをされた方に詳細をお知らせします。

◎参加費
  通し5回参加20,000円/4回参加16,000円/3回参加13,000円
  2回参加9,000円/1回参加5,000円
  (クレジットカード(PayPal)、銀行・郵便振込、当日現金が選べます)

※お申し込みはこちら
 メッセージ欄に「自分とつながる○日め」とお書きください。

※ファシリテーターはピアニストで小説家の水城ゆうです。
※ 猫がいます。猫アレルギーの方はご注意ください。

【YouTube】現代朗読と共感のワーク@名古屋

2016年11月23日。名古屋・御器所の〈クロッキーF美術館〉にて、現代朗読と共感的コミュニケーションのワークショップを開催しました。ただ声を出す、なにかを無心に読むという行為から、自分の身体のありように気づき、いきいきした表現へと進行していくプロセスを楽しんでいただきました。

当日の進行役は水城ゆうでした。
ご参加いただいたみなさん、お疲れ様でした。ありがとう。

映像はこちら

名古屋でのワークショップはひさしぶりだった

大阪、京都とまわってきて、東京にもどる前の最後の日、11月23日・勤労感謝の日は名古屋で現代朗読と表現のワークショップをおこないました。
場所は御器所にある〈クロッキーF美術館〉というビルで、普段はこちらでオーナーの福地先生がクロッキー(デッサン?)の会を開いたり、ほかにもいろいろなイベントを開催しているスペースです。
私は福地先生にも初めてお会いするし、こちらを使わせていただくのも初めてでしたが、とても気持ちよく使わせていただきました。

当日は京都での滞在先からきらさんに京都駅まで車で送ってもらって(きらさんにはなにからなにまでお世話になりました)、新幹線で名古屋入り。
そのまま地下鉄で御器所まで行き、会場入り。
今回のワークショップをお世話してくれた野崎のりこさんや深澤さんも来てくれて、会場準備。

今回はあまり大々的に宣伝しなかったということもあって、少人数での開催となりました。
震災前の名古屋での現代朗読の活動〈ウェルバ・アクトゥス〉のメンバーのひとりだったふみさんとそのお友だちやのりこさんのお友だちのほか、野々宮が名古屋で毎月おこなっている共感的コミュニケーションの勉強会のメンバーがふたり来てくれたのもうれしかったですね。
そのうちのひとりの真理子さんは、二月に私が野々宮の代打で講師に行ったときに来てくれた方で、その後オンライン共感カフェにも参加してくれたりしている方でした。

現代朗読と共感的コミュニケーションというと、一見あまり関係がないように見えますが、じつは大変深く関わりあっています。
とくに今回のワークショップを通じて確認できたのは、お互いに相互補完的な役割があるようだということです。

今回のワークショップで一貫しておこなったのは、「自分自身をリアルにとらえる」ということです。
自分がいまどんな状態なのか、身体はどんな感じなのか、なにを周囲から受け取っているのか、どんな欲求や衝動があるのか、どんなことを思いこんだり判断したりしているのか、どんな感情が動いているのか。
こういったことを、朗読のいろいろなワークをとおして観察したり、洗い出したりしていくのです。

朗読というのは、書かれた文字を読みあげる、という行為ですが、その行為をとおして自分の癖、たくらみ、思考、判断など、さまざまなことが洗い出されてきます。
それらに気づき、なんちゃってではない本当にリアルな自分の身体や欲求をつかまえていきたいのです。
実際にやってみると、社会性をまとった身体や、記憶と捏造に満ちた思考がそれをはばみ、かなりの困難にぶつかります。

みなさんといっしょに実際に動いてみたり、声を出してみたりすることで、さまざまな気づきや、まだ知らない自分の可能性の方向が見えてきます。

今回参加してくれたみなさんはそれをおもしろがってくれ、どんどんいきいきしていったり夢中になったりして、最後は大変おもしろいワークになったのではないかと思います。
この模様は、近いうちに記録映像の抜粋を紹介できるかもしれません。


名古屋でのワークショップは、つぎはいつできるかわかりませんが、またみなさんにお会いできるとうれしいなあと思いながら、名残り惜しい気持ちで東京にもどってきたところです。

2016年11月21日月曜日

大阪・吹田の〈モモの家〉でのライブ

2016年11月19日。
午前5時半、起床。
昨夜届いたばかりの MacBook Pro 15インチを含む旅行の荷物をリュックサックに詰めこんで、出かける準備。
今回の一週間弱の旅行は、大阪、京都、名古屋とまわるもので、いつもならコロコロ転がしていくキャリーバッグを持っていくところですが、なるべく身軽にしたかったので、いつも持ち歩いているリュックサックに全部まとめてみようというチャレンジをしてみました。
しかも、15インチのMacBookもいれて。

パンパンにふくらんだリュックサックに、寒さ対策で防寒着とマフラーを着こんだ状態で、さらにカメラを首からぶらさげ、杖を持ち、そしてけっこうな雨降りだったので折りたたみ傘を開いて、国立駅まで歩きました。
その時点でかなりきつい感じだったんですが、JR中央線は土曜日の朝にもかかわらず混んでいて、満員電車状態。
なんでこんなに混んでるんだ。

東京駅から新幹線に乗ったんですが、新幹線もまた満席状態。
観光シーズンということなのでしょうか。

京都まで行き、京都で野々宮卯妙と合流して、吹田へ。
きらさんに車で迎えに来てもらって、〈モモの家〉へ。

〈モモの家〉は羽根木の家を思いださせる古民家で、しかし20年来活動を継続してきているということです。
アップライトのピアノがあって、古いカワイのピアノですが、鳴らしてみたらすばらしく響くピアノです。

京都在住の琵琶奏者・片山旭星さんも到着して、かるく打ち合わせ。
でも、リハーサルはなし。

時間になって、NVC仲間のみずきさんや、みずほさん(私を含めて「みず」つながりだ)、なっちゃん、旭星さんの飲み仲間の方も来てくれました。
遅れて来る人が何人かいるということで、最初にすこしお話をさせていただいてから、私のソロピアノからスタート。
なにを弾こうかとかんがえていたんですが、モモの家の空間を感じて、完全即興でやってみることにしました。

すばらしく鳴るピアノで気持ちよく15分くらい演奏。
あとで終わってから、風景が見えた、という感想をもらって、うれしく思いました。

つづいて、旭星さんのソロ。
京都・法然院の彼岸会のために準備したもののひとつ、宮沢賢治の「原体剣舞連」をオリジナルの演奏とともに語っていただけました。
この詩は現代朗読協会のキッド・アイラック・ホールでの公演でも使ったことがあって、私も完全にオーディエンスになっておもしろく聴かせていただきました。

元げろきょゼミ生でいまは大阪在住の朗読仲間の玻瑠さんが遅れて駆けつけてくれました。
モモの家のすぐ近所に住んでいるので余裕こいていたら、なんと時間を一時間勘違いしていたということで、大笑い。

すこしの休憩をはさんで、後半は野々宮卯妙の朗読と旭星さんの琵琶と私のピアノによるセッション。
野々宮は私の「編む人」というテキストを選びました。
深く静かに豊かな空間が編みあがりました。

終演後はきらさんが用意してくれていた食事とお酒が出て、懇親会。
これがまあ楽しい時間となったのです。
ひさしぶりに玻瑠さんと近況や朗読の話がゆっくりできてよかったな。
席を準備してくれたきらさんに心から感謝です。
またモモの家に来てなにかやれる機会があるといいなあ、と思いながら、楽しい会はお開きとなりました。

2016年11月20日日曜日

【YouTube】ののみずきょくせいLIVE@吹田〈モモの家〉抜粋

2016年11月19日。
吹田の〈モモの家〉で朗読とピアノと琵琶によるライブをおこないました。
その模様をごく短くですが、抜粋でお送りします。

 テキスト「編む人」水城ゆう作

 朗読 野々宮卯妙
 琵琶 片山旭星
 ピアノ 水城ゆう

映像はこちら

毎日体操するみたいに共感の練習しよう

私がファシリテートする共感カフェや共感茶会にはさまざまな人が参加してくれて楽しくやらせてもらっています。
この一週間だけでも、もうすぐピースボートで3か月半の船旅に出かけるという大学生の若い女性や、ドイツから日本に研究に来ている女性、もちろん普通のサラリーマンや主婦、治療院に勤めている方や治療室をやっている人、求職中の人、フリーランスの人、ほんとうにさまざまなバックボーンを持った人が来てくれました。

つづけて何度も来てくれている人もいれば、初めて来てくれた人もいます。
そういうなかで、何度もくりかえし来てくれる人はとてもありがたく、また学びも深まっていくのを感じます。
本人は、
「ずっとやっているのになかなか思うように共感力が身につかなくてもどかしい」
といいながら、また来てくれているわけですが、私から見ればあきらかに上達しているのです。
つづけて練習し、上達している人は、自分の「できないところ」がちゃんと見えるようになってきます。
だから逆に「できない」と感じてしまうのです。
でもちゃんとできるようになってきています。
こちら側から客観的に見ればそれは明らかなのです。

逆に残念なのは、一度だけ来てそれっきりになってしまう人です。
私以外の人がやっている勉強会に行ってくれているのならいいんですが、共感的コミュニケーションの可能性や、それを練習し身につけていくことの楽しさをあきらめてしまう人がいるとしたら、それはとても残念なことです。
でも、一度でも興味を持って勉強会に参加してくれたわけですから、なんらかの(気楽な)手段でわからないことを尋ねたり、練習したり、気になっているところを質問したり、あるいはだれかに共感してもらったり、いつも練習しあえる仲間とつながれたり、といった場があると、つづけるのがぐっと楽しくなるんじゃないかと思うのです。

そこで、そういうことが気軽にできたり呼びかけたりできる場を作ろうと思いたちました。
というより、すでにある場を利用すればいいのだ。

フェイスブックのアカウントを持っている人限定になりますが、「共感的コミュニケーションを学ぶ/使う」という秘密のグループがあります。
私の共感カフェやオンラインの勉強会に参加してくれた人を対象に参加してもらっています。
この場をとりあえず、そのまま流用しましょう。

「ちょっとつらいことがあって緊急にだれかに話を聞いてもらいたい」
「ちょっとだけ共感練習をしたい」
「共感的コミュニケーションについてわからないことが出てきた」
「困っている友だちがいるんだけどどうしたらいいだろう」
「夫とひどい喧嘩をしてしまった。だれか仲裁してくれないだろうか」

そのようなことを気軽に書きこんで、だれかが応じたり、コメントしたり、あるいは私ができるときは対応したいと思います。
また、必要なときはすぐにオンラインでつながって、共感的に話を聴きあうこともいいでしょう。

興味がある方は、まずは私のオンライン共感茶会でもいいですし、随時開催されている共感カフェなどに参加してみてください。
その上でフェイスブックで私とつながってくれれば、秘密のグループに招待します。
お待ちしてます。

11月開催:水城ゆうのオンライン共感茶会(11.24)
自宅や好きな場所にいながらにして気軽に参加できる、ネットミーティングシステム(zoom)を利用した共感的コミュニケーションの60分勉強会、11月の開催は24(木)20時です。

国立での共感おはなし茶会(11.25)
おたがいに深く聴きあうことのできる場で自分自身の価値とニーズにつながるためのサポートを水城ゆうがおこなう、国立でのおはなし&勉強会です。ミズキランチ付き。カフェタイムからの参加もオーケーです。

2016年11月19日土曜日

【YouTube】福井県立病院ボランティアコンサート2016.10より「故郷の空」

2016年10月19日。
3か月に1回程度のペースで水城ゆうがおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノコンサートの模様から、「故郷の空」をお送りします。

映像はこちら

かまいキッチンと共感練習の継続性

毎月恒例の下北沢〈かまいキッチン〉での共感おはなしカフェは、参加者が少人数だったので、ひさしぶりにゆっくりと主催者のかまいキッチンのクミさんも含めて話ができました。

共感カフェは実際のお店のカフェで開催しているケースが何軒かあって、本当はお店の人にも参加してもらっていっしょに学んだり、話を聞いたりしたいんですが、参加者が多いと注文をさばいたり、席が窮屈だったり、ほかにお客さんがいたりと、輪にはいってもらいにくいのが現状です。
でも、今回は参加者がひとりだけだったのと、たまたまほかにお客さんがいなかったのとで、クミさんにゆっくり加わってもらうことができました。
こういうチャンスだけでなく、なにかいい方法があるといいんだけど。

ひとりだけの参加者は、先日「親密な関係」の勉強会に国立まで来てくれたサブリナさんで、留学生といっていいのかな、交換研究者というのかな、とにかくドイツの大学から日本の大学にやってきて論文を仕上げている最中の学生さんでした。

クミさんがお客さんから聞いたお母さんとの関係性のエピソードから、サブリナさんもドイツにいるお母さんとの関係の話をしてくれて、クミさんもそんな話を聞かせてくれました。
娘とお母さんの関係というのは、私には想像もできなかったんですが、なにか特別なものがあるようです。
もちろん、息子とお母さんの関係にも特別なものがあると思いますけど。

お互いにあたりまえだと思って、その関係性のなかで配慮が欠けたり、あるいは期待しすぎたり、思いやりを置き忘れてしまったり、ということが起こるようです。
でもまあ、それは当然のことで、共感的コミュニケーションではいったんそのようにギクシャクしてしまったり、対立が起こったとしても、もう一度つながりなおして関係を修復し、さらに深いつながりを持つということを試みることができます。

そんなことを今回はゆっくりと話すことができて、とてもありがたかったんですが、私のもうひとつのテーマをふたりに聞いてもらうこともできました。
それは、共感カフェに参加した人は、継続的に参加しつづけてくれる人もいれば、たまに参加してくれる人もいれば、一回きりで来なくなってしまう人もいて、なにかみなさんに継続的に共感の練習ができる機会を共感カフェ以外にも提供する方法はないだろうか、ということです。

たとえばかまいキッチンでの共感カフェも月に一回の開催です。
どんなに習得が優秀な人でも、月の一回の練習では共感的コミュニケーションを身につけることは難しいと思います。
日常的に練習したり、おなじように勉強している相手と練習したり、といったことをしてもらえると、習得が早いのです。

なにかいい方法がないかなあといったら、サブリナが「こんなのがあるよ」と教えてくれました。
それは英語のコミュニティですが、フェイスブックにお互いに共感しあうための場所があって、なにか問題があったり気になることがあればそこに書きこむと、ほかのメンバーから共感をもらえたり、場合によってはSkypeで直接話を聞いてもらったりできる、というのです。
そういえば、日本語でもそういうサイトがあるのでした。
緊急共感が必要な人のためのグループです。

私も自分の共感カフェに参加してくれた人でフェイスブックのアカウントを持っている方のためのグループを作っていて、それを継続的な練習や緊急の共感が必要な人のための場所にあてればいいんだと思いあたりました。
さっそくやってみようと思います。
緊急の共感が必要で、そのことをグループで表明し、それを見た人がリアクションしたり、私が対応できたりするといいですよね。

11月開催:水城ゆうのオンライン共感茶会(11.24)
自宅や好きな場所にいながらにして気軽に参加できる、ネットミーティングシステム(zoom)を利用した共感的コミュニケーションの60分勉強会、11月の開催は24(木)20時です。

国立での共感おはなし茶会(11.25)
おたがいに深く聴きあうことのできる場で自分自身の価値とニーズにつながるためのサポートを水城ゆうがおこなう、国立でのおはなし&勉強会です。ミズキランチ付き。カフェタイムからの参加もオーケーです。

2016年11月18日金曜日

音読療法の来た道

音読療法を行政などにアピールして、地域での介護予防運動や健康運動にひと役買うためのアピールのための資料として、音読療法のこれまでの履歴と実績を詳細にまとめる作業をしています。
膨大なリストになったので全部は無理ですが、そのごく一部を紹介します。
もし音読療法に興味を持ってくれる方がいらしたらうれしいです。

音読療法協会(特定非営利活動法人登記申請中)はその前身を特定非営利活動法人現代朗読協会に持ちます。
また現代朗読協会はその母体となったアイ文庫朗読研究会を礎としています。
来歴はそこにさかのぼります。

2000年、アイ文庫有限会社設立。
ラジオやテレビ番組の制作、オーディオブックなどのインターネットコンテンツの制作・配信会社としてスタート。

2003年、アイ文庫朗読研究会がスタート。
これがのちの現代朗読協会の前身となります。

2004年から小中高等学校や高齢者福祉施設などへのボランティア活動を積極的におこないはじめました。朗読パフォーマンスの公演のみでなく、音読エチュードと称する参加型のワークショップを社会貢献活動として展開。

2006年3月、特定非営利活動法人現代朗読協会設立。

2008年、文化庁の後援を受け、世田谷文学館との共同事業として世田谷区内の小中学校での朗読公演、群読ワークショップがスタート。
このあたりで音読療法で用いられている音読エチュードが豊富に誕生しはじめます。

2010年、音読療法の重要な要素となっているマインドフルネスやソニック・メディテーションの実践の先駆けとして、中野plan-Bにて「沈黙の朗読――記憶が光速を超えるとき」を上演。
以来「沈黙の朗読」のシリーズを継続的におこなう(現在も継続中)。
ほかにも児童養護施設の子どもたちのためのボランティアイベントに出演したり、名古屋などでも群読ワークショップを定期的に開催するようになります。

2011年3月11日、東日本大震災大津波が起こる。
活動拠点としていた〈羽根木の家〉で音読を使ってケアワークをスタート。
このとき、医師や臨床心理士の協力を得たことが、音読療法の体系化のきっかけとなりました。
その9月には、三谷産業のバックアップにより音読ケアワークによる東北ボランティアツアーが実現、南三陸町、石巻と巡回。
これは11月と、翌6月も実現し、石巻や釜石などをまわりました。

そして音読療法協会、設立。
定期的にボイスセラピー講座を開催し、音読療法の普及啓蒙と、音読トレーナーの育成をはかる(現在も継続中)。
・11月、東北ボランティアツアーの2回めとして、石巻を中心に巡回。

2012年から「音楽瞑想」のライブとワークショップがスタート。
以来、ブックカフェ〈槐多〉、〈キッド・アイラック・アート・ホール〉ギャラリースペース、ほか多数開催する(現在も継続中)。

この年は音読療法の活動が急に広がり、高齢者福祉施設(特別養護老人ホーム)での「いきいき音読ケア」と称するケアワークもスタートしました。
一般参加者を対象にした「音読カフェ」と称する音読療法をもちいた心身の健康ワークもはじまりました。
「お母さんのための音読ケア」がスタートしたのもこの年です。
これらはいまもつづいています。

2013年には音読療法の重要な要素のひとつである「共感的コミュニケーション」の勉強会を各地で開催しはじめました。
とくにコミュニティカフェでおこなう勉強会は毎月、あるいは隔月で開催し、現在も継続中です。

継続中の活動はたくさんあります。
まず、共感的コミュニケーションの勉強会。
世田谷区のカフェ3か所、現在の活動拠点〈春野亭〉、名古屋コミュニティスペース、豊橋〈いるかビレッジ〉、個人宅数件、オンライン勉強会など、多数。
いきいき音読ケアワークはメディカルホールまどか富士見台、個人宅数件、〈春野亭〉など随時随所にて実施中。
お母さんのための音読ケアも〈春野亭〉にて定期開催がスタートしようとしています。

ボイスセラピー講座は毎月開催。
音読トレーナー養成講座はトレーナー育成のための集中講座として数か月おきに開催予定です。

不定期の活動としては、単発の共感的コミュニケーションの講座や勉強会、音読ケアのワーク、墨田区教育支援ネットワークからの依頼による小学校での音読授業、ほかにも個人宅や地域コミュニティでの音読カフェを随時随所にて開催しています。

ボイスセラピーを社会貢献の仕事としておこなっていくことに興味のある方が、私たちの活動にひとりでも多く参加してくれることを願っています。

呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。

【YouTube】福井県立病院ボランティアコンサート2016.10より「ゆりかごの歌」

2016年10月19日。
3か月に1回程度のペースで水城ゆうがおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノコンサートの模様から、「ゆりかごの歌」をお送りします。

映像はこちら

2016年11月17日木曜日

ののみずきょくせいLIVE@吹田モモの家

今週末は大阪の吹田市にある〈モモの家〉というところでライブをやります。
私のピアノと現代朗読の野々宮卯妙、そして京都在住の琵琶奏者・片山旭星さんの三つ巴ライブです。
この三人といえば、法然院でのライブが印象に強いですが、それ以前にも豪徳寺の地下スタジオや羽根木の家でも何度か共演しています。

今回はできれば新作テキストを持っていきたいと思っています。
間に合うのか、と思いますが、野々宮も旭星さんも即興に強い人たちなので、心配してはいません。
むしろスリリングなライブになるのではないかと想像がふくらみます。

モモの家を私は知らないので、ぶっつけ本番です。
吹田といえば、大阪はもちろん、神戸、京都あたりからもアクセスが便利な場所ですね。
お近くの方はぜひお会いしたいです。

◎日時 2016年11月19日(土)18:00~20:00(開場17:30)
◎会場 吹田市〈モモの家〉
    吹田市泉町5-1-18
    TEL:06-6337-8330
◎参加費 1,500円

※終演後は懇親会を予定しています(21時半ころまで)。

※参加申し込みおよび問い合わせは、こちらのフォームからメッセージ本文に「吹田ライブ」とご記入ください。

2016年11月16日水曜日

寿美ちゃんちカフェと共感ウィーク

先週の木曜日・11月10日は京王井の頭線の東松原駅近くの星寿美ちゃん宅で共感おはなしカフェを開催しました。
今回は男性の参加がなく、美女カフェ!
寿美ちゃんのほか、寿美ちゃんの友人で常連の水緒さん、寿美ちゃんの友人だけど初参加のみさとさん、そしてオンラインも含め私の共感カフェに参加しつづけてくれているひろこさんやみきこさんといったメンバーで、なごやかに開催しました。

みさとさんは初参加でしたが、これまでにNVCの講座を受けたことがあるということで、基礎知識はばっちり。
なので、最初から個別の問題にはいっていくことができました。

寿美ちゃんちカフェは「親密な関係」をテーマにしているわけではないけれど、そちら方面の問題がしばしばあらわれます。
夫婦などパートナーとの問題、親子の問題などです。

今回も自分の家族への貢献が受け取られているような気がしなくて、寂しい思いをしているという話が出ました。
まずはそこに共感。

親密な関係においては、それがあたりまえになってしまっていて、自分が一生懸命相手のためにやっていることや貢献していることが受け取られていないように感じて、寂しかったりつらかったりすることがしばしば起こります。
そういうとき、自分につながることはもちろん大事なんですが、「いまうまくいっていること」をいっしょにお祝いする、という方法がよい働きを関係性にもたらすことがあります。

この「お祝いする」ということがあまり日常的な感じがなくて、とまどう人がいたり、そのやりかたがわからなかったりする人がいますが、私たちの生活のなかに自然にお祝いという行動がなくなっているので当然のことですね。
でも、昔の人は日本人も自然にそれをやっていたのです。
もう一度取りもどす必要があるかもしれませんね。
そのやりかたについては、また共感カフェでいっしょにかんがえてみましょう。

さて、今週は「共感ウィーク」とでも呼べるような共感的コミュニケーションの勉強会がつづく週です。
月曜日から木曜日まで、毎日なにかしらあります。
どこかでお会いできるとうれしいですね。

共感カフェ@下北沢ステイハッピー(11.16)
下北沢の旅カフェ〈Stay Happy〉の共感カフェは11月16日(水)20時から開催します。だれでも参加できるオープンで気楽な雰囲気の勉強会です。参加費1,000円+1オーダー。

共感おはなしカフェ@かまいキッチン(11.17)
安心して親子連れで行ける店として有名な下北沢〈かまいキッチン〉で、1コマ60分間×2部制で、共感的コミュニケーションの勉強会を開催します。11月17日(木)1部15時から、2部16時から。通しでも、どちらか1コマだけでも参加可。

【YouTube】福井県立病院ボランティアコンサート2016.10より「紅葉」

2016年10月19日。
3か月に1回程度のペースで水城ゆうがおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノコンサートの模様から、「紅葉」をお送りします。

映像はこちら

2016年11月15日火曜日

【YouTube】福井県立病院ボランティアコンサート2016.10より「赤とんぼ」

2016年10月19日。
3か月に1回程度のペースで水城ゆうがおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノコンサートの模様から、「赤とんぼ」をお送りします。

映像はこちら

2016年11月14日月曜日

【YouTube】福井県立病院ボランティアコンサート2016.10より「旅愁」

2016年10月19日。
3か月に1回程度のペースで水城ゆうがおこなっている福井県立病院エントランスホールでのソロピアノコンサートの模様から、一曲めに演奏した「旅愁」をお送りします。

映像はこちら

2016年11月13日日曜日

てがみ座「燦々」を観てきた

2016年11月8日、てがみ座の公演「燦々」を観に〈座・高円寺〉に行ってきました。
作:長田育恵、演出:扇田拓也、そして扇田くんのパートナーである石村みかが出演しているということで、楽しみにして行きました。

このところ、演劇を観に行く機会はかなり減っているんですが、てがみ座の芝居は、扇田くんが演出したり、みかちゃんが出演したり関わったりしているおかげで、けっこう観ています。
今回は主人公が葛飾北斎の娘のお栄ということで、金子みすゞを主人公にした「空のハモニカ」に通じる、女性が表現活動をすることの苦しさや社会との葛藤を描いた作品です。

アフタートークにもありましたが、てがみ座のメンバーは非常にまじめに芝居に取りくんでいて、この芝居は江戸時代を舞台にしているということで、まずは「所作」の勉強からはじめたということでした。
まじめな座員にくわえて、客演の役者さんたちも手練れの人が多く、芝居運びとしては安心して観ていられるものでした。
ただ、声も含めて数か月の仕込み期間では、さすがに江戸の身体作りを芯からおこなうのはむずかしいのかな、とも感じました。
観客側の気楽な感想で、「そんならおまえやってみろ」といわれたらとてもじゃないけどそんな大変なことやれっこないのは重々わかっていることですが。

それにしても、何度見ても創意工夫とアイディアに満ちた扇田くんの新鮮でスタイリッシュな演出は刺激的です。
とくに今回は、北斎が登場するから連想したのかもしれませんが、動く浮世絵とでもいうんでしょうか、頻繁にある場面転換が非常に抽象化されデザイン化された手法が用いられていて、目を楽しませてくれました。

どちらかというとオーソドックスで、ともすれば浪花節的な展開になりそうなストーリーが、美しくデザインされた演出で切り落としていくのは、さすが扇田くんなのでした。
もっとも、後半で花魁(男優)が出てきて、生々しいリアルさで演じはじめたのにはちょっとびっくりしましたが。

私は平日の日中に行ったんですが、そのせいなのかどうか、高齢のお客さんが多くて、これもびっくりしました。
出演者のファンなのかな。

終演後、ひさしぶりにみかちゃん、扇田くんと話ができたのがうれしかったです。
子ども連れで国立まで遊びに来てね。
またいっしょになにかやりたいな。

2016年11月9日水曜日

中村和枝「繰りかへす悦び」

2016年11月3日、文化の日の木曜日に両国門天ホールまでコンテンポラリー・ピアニズム「くりかへす悦び2」というコンサートを聴きに行ってきました。
中村和枝さんによるピアノの演奏会です。

ほんとは「中村和枝先生」とお呼びしなければなりません。
というのは、先日来、私は中村和枝先生に弟子入りして、クラシック音楽(現代音楽)の演奏法について一から習いなおしているところだからです。
このことについてはすでに書きましたが、中村和枝さんのような「超」がつくといって過言ではないすぐれた演奏家にじかに弟子入りするチャンスがあるというのが、東京に住んでいることが幸運だと思える数少ないことのひとつです。

私のように田舎と東京を行ったり来たりしている者にとっては、まばゆい存在が手のとどく場所にいる東京という地がそこに住んでいる人にとってどれだけ恵まれたことであるのかよくわかるんですが、東京に住んでいるとそのことについてはとても鈍感になってしまいます。
私も東京に活動拠点を移して16年以上がたってしまい、ときに鈍感になりかけていることに気づいたので、お金が、時間がと、というようないいわけをきっぱりと切り捨て、すばらしいチャンスを享受させてもらおうと決めました。

話をもどします。
とてもうかつなことですが、「くりかへす悦び2」なのですから、「くりかえす悦び1」もあったのです。
残念ながらそちらは聴きそびれました。
そしてうかつなことに、なんで「くりかへす悦び」というタイトルなんだろうとぼんやりと思いながら出かけたのです。

さらにさらにうかつなことに、私のスケジュールには「18:30」と書かれていて、私はそれが開場時間だとばかり思いこんでいたのです。
ところがそれは開演時間だったのです。
途中で気がついてあわててしまったんですが、中央線はスピードアップしてくれません。
せめて両国駅から早足で門天ホールに急ぎ、会場にかけこんだのは、たぶん18時40分近く。

会場にかろうじて入れてもらったら、シーンとしてすでにコンサートははじまっているようす。
和枝さんもピアノについていましたが、しかし楽譜を表示させているiPadをのぞきこんでいて、いままさに演奏をはじめる直前のような感じだったので、いそいで席につきました。
そしたら演奏がはじまりました。

そんなわけで、当日パンフレットも読む時間はなかったんです。
「くりかへす悦び」がどういう主旨のコンサートなのか、理解していないまま、演奏がはじまりました。

最初の曲はアレックス・ミンチェクの「茎」。
すばらしく多様性とエネルギーに満ちあふれた曲です。
和枝さんの集中もすばらしく、まさに疾走し、静止し、ふりほどき、からまりあい、つかみ取り、放り投げる、といった演奏。
一瞬も飽きることなく堪能しました。

二曲めは黒田崇宏の「グラデュアリズム」。
こちらは一転して、一見単調に聴こえる変奏曲です。
変奏曲というので、主題があって、変奏があるはずなんですが、変奏が変奏だとわかりにくく作ってあるということで、しかしたしかに変化しているのです。
不協和音の構成が高い音圧を作るようになっていて、ピアノ特有の減衰する残響音のなかに奇妙に変化する倍音同士のぶつかった響きがあって、おもしろかったのです。
しかし、これは奇妙に眠気を誘う音でした。

三曲めは松平頼暁の「デュアル・ミュージック/ピアノ・ウィズ・ヴォイス」。
これは、まあ、ピアニストが歌う、歌う、本格的に歌う。
このために和枝さんはヴォーカルレッスンに通ったそうです。
示唆とアイディアと刺激に満ちた曲で、最後まで楽しませていただきました。

休憩がはさまれたので、当日パンフレットをそこで初めて私は見ました。
そしたら曲目のところに、
「曲順はその瞬間までわかりません」
と書いてあったんですね。
どういうことだろうと思っていたら、どうやら後半もおなじ曲目を「くりかえして」演奏するらしいのです。

なるほど、そういう意味だったのか、とはじめてわかりました。
現代曲は――とくに初めて聴くような曲は、一度聴いてもなかなかなじめないものですが、じゃあおなじ曲をプログラムの後半でもう一度演奏したらどのように聴こえるだろうか、という試みなのです。
おもしろいですね。

そうしてはじまった後半は、前半の二曲目で演奏した「グラデュアリズム」が最初でした。
二曲めは「デュアル・ミュージック」、歌います。
そのあと、和枝さんがみなさんに挨拶して、来場のお礼を述べられました。

さて、最後の曲か、と思っていたら、そのまま退場しようとするではありませんか。
「ミンチェク、まだやってないよ」
という指摘があって、和枝さんもそれに気づいたようです。
まったく彼女らしいんですが、本気で演奏し忘れていたようです。
これには会場も大爆笑。
私ももちろん爆笑。
こういうところが憎めない、チャーミングなところですね、ってわが師匠にいうような言葉ではありませんが。

もちろん最後に「茎」を演奏して、今度こそ終了。
すばらしい演奏会でした。

あらためて、私のような我流でいいかげんに自分の好きなようにしか弾いてこなかったピアノ弾きが、現代曲の演奏家として最高レベルにいるような(しかもチャーミングな)方からあらためて直接指導していただけるなんて、夢のようなことだとかみしめながら、幸せな気分で帰路についたのでした。

そしてもうひとつ。
これだけは書いておきたいと思うことがあります。
私がおこなっている「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演もそうですが、この「くりかへす悦び」というコンサートも、一見、人々の経済活動や生活にはなんの役目もはたしていないように見えるものが、ちゃんと開催され、継続的に活動できるという状況が、どれほど貴重で、また危ういものであるのか、そのことを守るためにはどんなことが必要なのか、なにができるのか、ひとりでも多くの人とともにかんがえ、実践できる場を作っていくことが私の役割のひとつなのかもしれないな、と、いま、思っています。

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演@明大前(12.12)
深くことば、静寂、音、そして空間とご自分の存在そのものをあじわっていただく「体験」型公演です。年内閉館が決まっているキッド・アイラック・アート・ホールでの最終公演となります。

充実のボイスセラピー講座と音読トレーナー合宿

11月3日(木/文化の日)と5日(土)・6日(日)で、音読療法協会主催のボイスセラピー講座と、音読トレーナー養成合宿を実施しました。
どちらも大変充実した学びと発見と創造性とつながりの機会となり、ご参加いただいた皆さんには感謝します。

音読療法を普及させたいという思いのもとにあるのは、社会貢献と自立のニーズが大きくあります。
いまの社会で必要とされる心身の健康を確保するための簡便な方法、介護予防のシンプルで強力な手法を提供できる音読療法。
それをハンドリングできる音読トレーナーや音読療法士の育成。
これがいまの音読療法協会の目的です。
そして現在、音読療法協会は特別非営利活動法人(NPO法人)の認可申請の手続きをおこなっているところです。

今回の参加者のなかには、自治体からの補助金を得て参加してくれた人がいました。
全国各地に「ふるさと人材育成事業」というものがあって、地元に貢献し、さまざまな意味で「利益」をもたらしてくれる人材を育成するために補助金を出すという制度があるんですが、それを利用して音読トレーナー養成講座を受講してくれたのです。
つまり、音読トレーナーとなって地元で音読療法のワークができるようになることで、地域への貢献ができるということが認められたということですね。

音読トレーナーとして地域に貢献できることはなんでしょう。
高齢者福祉施設や介護施設、学校などでの音読ケアワークや音読ワークショップができます。
また、私もすでにはじめているように、音読カフェという名の参加しやすい介護予防の集まりや、行政と組んでの介護予防教室も実施できるでしょう。
健康促進団体として地域で組織化・法人化して、行政や企業からの予算をどんどん引きだして活動していくこともおすすめしたいです。
そういった活動をアピールするための資料は、音読療法協会が提供します。
たとえば、豊富な活動実績や映像記録、音読療法の内容や体系がわかる書籍といったものです。

音読療法協会でもこれらの資料をしっかり整え、いつでもトレーナーに使ってもらえるようにしておこうと思っています。
法人化も早急に実現します。

音読療法というまだあまり知られていない分野ではありますが、心身の健康法として、予防法としてとても有効でしかも簡便なツールに興味を持ってもらえるとうれしいです。
気軽にご参加くださいね。

呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。

2016年11月7日月曜日

音読療法(ボイスセラピー)の可能性

今週はボイスセラピー講座を国立の家〈春野亭〉で開催しました。
定員いっぱいの方が参加してくれて、とてもにぎやかでなごやかな学びの場が持たれました。
ほんとうに楽しくうれしい時間でした。
そしてさらに土日の音読トレーナー養成講座へとつづいています。

音読療法の体系がほぼまとまったのが、2011年の震災の年の終わりです。
以来、多くの活動をおこなってきました。
実績というか、実際の活動内容について一度きちんとまとめておかなければと思ってはいるんですが、あまりに多岐にわたっていてその作業量が半端じゃないことが予想されるので、なかなか着手できていません。

それほどの活動実績があるにもかかわらず、音読療法師や音読トレーナーの仲間がなかなか増えていかないのも、悩みのひとつです。
すぐにそれで生活できるほどの収入を確保できない、というのも要因のひとつかもしれませんし、ほかにも理由があるとは思うんですが。

しかし、今回は興味を持ってくれた人がたくさんいて、うれしかったです。
これが一時的な現象なのか、ようやく音読療法が知られるようになってきたのか、どちらなのかはわかりませんが。
参加者の最高年齢が87歳というのもうれしい驚きでした。
私の母より上ですからね。

午前中は音読療法の概略と体系の説明、そして音読療法の三本の柱のふたつである「呼吸法」と「音読エチュード」を実際にやってみました。

お昼はみんなでぶらぶら歩いて国立の富士見通りにある素食の店に行き、ベジの台湾料理でランチ。
そのまま春野さんのお母さんの家まで行って、午後の部はそちらで開催させていただきました。

唱歌「紅葉」の歌詞を使った音読エチュードのあと、私がピアノを弾いてみんなで歌いました。
最後はひとりの話を円座になって共感的に聞く時間。

今回おこなった呼吸法と音読は、いますぐ、今日からはじめられる心身の調整法、健康法として有効です。
共感的コミュニケーションは引きつづき練習していってもらいたいんですが、幸い、最近は私のものを含め多くの勉強会があちこちで開かれていますから、機会を見つけては参加してもらいたいと思います。
これらを身につけることで、心身の健康をたもったり向上させることができるほか、自分のニーズにつながって怖れなく毎日をいきいきとすごすことができるはずで、とても可能性のある有効なスキルなのです。

次回のボイスセラピー講座は12月3日(土)に、やはり国立で開催されます。

ボイスセラピー講座@国立(12.3)
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。

2016年11月5日土曜日

共感的コミュニケーションウイーク

共感的コミュニケーション(NVC)を学んでいるあいだはとっても共感的で、自分にも人にも深くやさしい気持ちになっているのに、日常にもどるとたちまちスイッチが切れたみたいに元にもどってしまう、という方の話をよく聞きます。

共感的コミュニケーションは「学ぶもの」ではなく「使うもの」です。
実際に日常生活のなかで使ってみると、うまくいったりいかなかったりいろいろありますし、そこでメゲたり驚いたりしますが、そうやって試みているうちにふと気がつくと身につきはじめています。
とにかく、やってみることが大事です。
そしてうまくいかなかったり、「こんな場合はどうしたらいいんだろう」と思ったとき、各地でいろいろな人が開いている勉強会やワークショップに参加してみてください。

もちろん、私の勉強会も歓迎です。
私が主催したり、ファシリテーターで呼んでもらったりしている勉強会は、たいてい少人数で、参加費も参加しやすい額に設定されていますので、気軽にどうぞ。

私が関わっている直近(11月)の共感的コミュニケーションの勉強会(共感カフェ/共感茶会)のご案内です。

東松原在住で自宅をイベントに開いている星寿美さんが、共感おはなしカフェを主催してくれます。おたがいに深く聴きあうことのできる場で自分自身の価値とニーズにつながるためのサポートをおこなうおはなし会です。

共感的コミュニケーションでもとくにやっかいだといわれている親密な関係であるところのパートナーと、お互いに尊重しあい、関係性の質を向上させるための勉強会を11月14日(月)におこないます。

自宅や好きな場所にいながらにして気軽に参加できる、ネットミーティングシステム(zoom)を利用した共感的コミュニケーションの60分勉強会、11月の開催は15(火)20時/22(火)20時です。

下北沢の旅カフェ〈Stay Happy〉の共感カフェは11月16日(水)20時から開催します。だれでも参加できるオープンで気楽な雰囲気の勉強会です。参加費1,000円+1オーダー。

安心して親子連れで行ける店として有名な下北沢〈かまいキッチン〉で、1コマ60分間×2部制で、共感的コミュニケーションの勉強会を開催します。11月17日(木)1部15時から、2部16時から。通しでも、どちらか1コマだけでも参加可。

おたがいに深く聴きあうことのできる場で自分自身の価値とニーズにつながるためのサポートを水城ゆうがおこなう、国立でのおはなし&勉強会です。ミズキランチ付き。カフェタイムからの参加もオーケーです。

2016年11月4日金曜日

映画:ボーン・アイデンティティ

2002年公開のアメリカ映画。

また素敵なバカ映画のシリーズを発見してしまいました。
タイトルはよく目にしていて気にはなっていたんですが、なぜか観るチャンスをのがしていたボーンもののシリーズ。
まずはその最初の作品です。

主役のジェイソン・ボーンを演じるはマット・デイモン。
マット・デイモンといえば、「オーシャンズ11」のシリーズでちょっとお馬鹿な役を演じて人気でしたし、SF大作「インターステラー」でもキラリと光る配役で印象に残っている売れっ子ハリウッド俳優ですが、なんといっても2015年公開の「オデッセイ」ではしびれましたね。
いい俳優だなあ、おバカなところも含めて。

「ボーン・アイデンティティ」も一見、非常にシリアスなサイペンス・アクション映画なんですが、手に汗握るというより、どことなく安心して観ていられる気がするのは、主演がマット・デイモンだからかもしれません。

原作はロバート・ラドラムの『暗殺者』というベストセラー小説です。
海のど真ん中で通りかかった漁船に偶然救助された男は、記憶喪失で、自分の名前も思い出せないんですが、お尻に埋めこまれた装置にはスイスの銀行の口座番号が仕込まれています。
それをたどって自分のルーツ=アイデンティティ探しに出るわけですが、たちまち追っ手があらわれ、殺されそうになります。
たまたま車を持っていた女性に大金を見せてパリまで連れて行ってくれるようにたのみ……

という、アクションあり、謎あり、陰謀あり、恋ありの、007よりはミッション・インポシブル寄りだけど、主人公に主体性はなく(すくなくとも初回作品は)追いつめられ型サスペンス映画となっています。
彼が追われているのは合衆国という国家組織。
冒頭シーンを含め相当「ご都合主義」的な展開も多いんだけど、まあ楽しめます。
とくにこのシリーズ、今年2016年に「ジェイソン・ボーン」もリリースされて全5作品あるということもまた、楽しめる要因になっていますね(私もヒマだよね)。

ついでにいえば、勢いですでに第二作の「ボーン・スプレマシー」まで観終えてます。
第二作は復讐劇です。
こちらは主人公は(やむをえず)主体的に行動しています。

ところで、音楽はベテラン映画音楽作曲家のジョン・パウエルなんですが、いくらなんでも手抜きじゃねえの、これ?

水城ゆうの音楽レッスン
ピアノの即興演奏、オリジナルアレンジ、実用的な演奏方法、ボーカルレッスンを含むユニークな音楽レッスンを随時おこなっています。真に楽しむための音楽へのアプローチを学びましょう。

カラダすっきり計画

体調はいたっていいんですが、近所のジムではかってもらったら、いろいろ気になる数字が出てきたので、身体と相談しながらもうすこし数字を好ましいものに近づけていこうと計画してます。

数字を見るより身体に訊け、というのは私がいつもみなさんにいっていることですが、もちろんそこが基本。
それを押さえた上で、数字も改善したいという欲張りな計画です。

いまの体組成計は体重、体脂肪はもちろんのこと、おおまかな部位の筋肉量、水分量、ミネラル量、タンパク量まで出てくるんですね。
計測するのにしばらく時間がかかるけど。
その結果、自分で感じていたとおり、下半身の筋肉量はそこそこなんだけど、上半身がすくない。
昔から上半身がひ弱で、腹筋はそこそこ自信があったんですが、それも最近は落ちてきているらしい。

無理もないですね、なにしろ仕事や日常生活で身体を使うことはほとんどないし、年齢も来年は60歳ですからねーあはは。
ほうっておけば筋肉が落ち、脂肪が増え、身体全体がだぶついたりしなびた感じになるのは当然のことです。
これで農作業とか、漁労とか、山仕事とか、身体を使った労働にいそしんでいれば問題はないんでしょうが、なにしろピアノ弾きで小説書き、そして都会の便利な生活がベースなので、意識的に心がけるしかありません。

あと、計測で出てきたのは、水分量、タンパク量、ミネラル量が全体的に低いということ。
ジムのおにいさんに、
「足、つりやすくないですか?」
と聞かれました。
はい、そのとおりです。

私は食事量がすくなくて、一日二食、それもバカ食いはしないし、間食もしないので、体重は維持できているんだけど、全体的に必須栄養の摂取が足りてないらしい。
筋肉量が少なくて、体脂肪が見た目より多い(隠れ肥満?)ので、基礎代謝が低く、太りやすい体質なんですが、それでも食事量がすくないので太らずにすんでいます。
体重はほぼ一定に維持しています。
しかしおかげで栄養素が不足している、と。

そこで、食事のバランスに気をつけつつ、水分摂取を心がけつつ、筋トレなどの運動で筋肉量を増やして基礎代謝をあげていく作戦をとることにしました。
いまの基礎代謝が1400キロカロリーに届かないくらいかな。
それを1600キロカロリー超に持っていきたい。
すると、いまより食事の量を気にせず、必須栄養を十分に取れるようになるはず。
とくにミネラルは重要なので、青物野菜、海藻、魚介類などを心がけて多く食べるようにしたい。

さて、この計画、どうなるでしょうか。
筋トレすると身体のあちこちが痛くなって、すこし熱を持ったようになります。
軽い炎症みたいになってるんでしょうね。
そのせいかどうか、私はあんまり夢を見ない(あるいは見ても覚えていない)性質なんですが、やたらと夢を見ます。
そして睡眠時間が長くなります。
傷んだ筋肉の回復をはかっているんでしょうね。

2016年11月2日水曜日

映画:ホビット三部作

2012年から2014年にかけて公開されたニュージーランド映画。
いわずと知れた『指輪物語』のJ・R・R・トールキンによる『ホビットの冒険』を原作に、かなりふくらませてあります。
いまさら私なんぞがレビューしなくても、だれもが知っている映画だろうと思うけれど、あえて。

先に『ロード・オブ・ザ・リング』三部作が公開されて、それにつづいて、時代はそれよりさかのぼること約60年を舞台にしたこの三部作が公開されました。
監督はいずれもピーター・ジャクソン。

いずれも三部作という壮大なストーリー展開と、キャラクターや舞台装置の複雑なからみあいを見ると、いったいどうやって準備し、撮影し、編集し、最終的に映像を作ったのだろうかと、まったく想像もつかないほどよくできています。
私はものを作るのが好きで、あわよくば映画にも関わってみたいと思ったりすることもありますが、この映画に関してはまったくどう作られているのか、関われるとしたらどのポジションがあるのか、完全にお手上げです。
ピーター・ジャクソンの製作現場を実際にこの目で見てみたいものです。

三部作は次のような構成になってます。

第1部 『ホビット 思いがけない冒険』
第2部 『ホビット 竜に奪われた王国』
第3部 『ホビット 決戦のゆくえ』

いずれも2時間半前後の、それぞれが大作といっていいボリュームですが、3部でひとつのストーリーになってます。
そして第3部のエンディングはきっちり『ロード・オブ・ザ・リング』の冒頭部分に接続している作りになってます。
どうやって撮影したんだろう。
『ロード・オブ・ザ・リング』を撮影しながら、同時に『ホビット』の撮影も進めていたんだろうか。
だとしたら、ものすごい仕事量ですね。

仕事量でいえば、ポストプロダクションもものすごいものがあります。
ホビットとかドワーフという小さな人を、普通の人間やエルフ、そして異形のオークや彼らが操る巨人などをひとつの画面に配置する作業だけでもものすごい作業量だと思うのに、それに加えて風景や樹木や鳥や島や街や竜などのCGを準備して、さらに画面に作りこんでいく、とんでもない人的パワーが注ぎこまれているのがわかります。

ピーター・ジャクソンの要求は容赦なく、どのシーンを見ても一切手抜きのない、ものすごい情報量の画面が連続していて、おそらく何度見返してみても映像的にはあたらしい発見があると想像できます。
そのとおり、何度も観たくなる映画です。

ストーリーはもちろんトールキンの、たんなる子ども向けのお話にとどまらない、人間の本質に迫る深い話で、映像の豪華さに気を取られてしまいがちですが、ストーリーのメッセージも強力なものです。

私としては、この映画は人と人のつながり、信頼、友情をひたすら扱い、苦境につぐ苦境のなかで信頼する仲間とそれを乗りこえていくかけがいのない時間を表現していると感じました。
そして愛もすこし。

最終の第3部では、これでもかというくらい戦いと殺戮のシーンが繰り広げられます。
それは過剰といっていいくらいで、お茶漬けで育ったネイティブ日本人の私としてはお腹いっぱいになりますが、このくらい圧倒的にしないと気がすまないピーター・ジャクソンにはなんらかの執着があるんでしょう。

『ロード・オブ・ザ・リング』も私の好きな映画で、すでに何度か観ていますが、『ホビット』三部作を観たあとにはまた『ロード・オブ・ザ・リング』三部作をゆっくり観直したくなっています。

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2016年11月1日火曜日

病弱だった私がこの五年間病気知らず

先日も書きましたが、ここ何年かは大きな病気はおろか、風邪もほとんどひかず、ひきかけてもそこで踏みとどまって寝こむようなことにはいたらない健康体なんですが、じつは私はそれ以前は大変病弱だったのです。
昔の私を知っている人なら同意してくれると思いますが、すぐに体調をくずし二、三日寝こんでしまうなんてのは日常茶飯事でしたし、子どものころはジフテリアや赤痢、はしか、おたふくといった伝染病にひととおりかかったし、もちろんインフルエンザも予防接種を受けているにもかかわらず毎年、律儀にかかっていました。
しかし、ここ何年かは予防接種すら受けていません。

そんな私の健康法を紹介しましょう。
これは私にかぎったことではなく、どんな人にもかなり有効なルーティンなのではないかと思っています。
簡単なことなので、ぜひ試してみてください。

まず、朝起きたら、布団の上に座ってでもいいし、ベッドの端に腰かけてでもいいんですが、「動揺禅」というものをおこないます。
これはつい最近はじめたものですが、たんなる座禅とか瞑想よりよほど簡単ですし、気持ちがいいのです。

どうやるかというと、坐骨を座面に直角にあてるようにして脊椎を立てたら、アレクサンダーテクニークの要領で脊椎のてっぺんに頭がバランスよく軽く乗っていることをイメージします。
両手は手のひらを上に向けて開いておきます。
目はあけても閉じてもいいんですが、私は半目にしてます。
視覚情報を受け取ってはいるけれど、どこも注視していない状態です。

その状態で、下丹田を中心に上半身をゆっくりと揺らします。
頭部で円を描くように、右まわりでも左まわりでもかまいませんが、ときおり反対回転に交代しながら、ゆっくりと、最初は小さく、しだいに大きく円を描くように揺らします。
そのとき、思考は追いはらい、ただ自分の身体の動きや感覚を観察します。
それには呼吸も含まれます。

ただ座禅で「無念無想に」といわれてもうまくいかないんですが、このやりかただとかなりうまくいきます。
私がおこなっている音楽瞑想はかなり深い瞑想状態に誘導できるんですが、日常的にそこまで深くはいる必要はないし、ましてや起き抜けの行なので、心身を整えるための軽い感じでいいのです。

それを10分前後おこなったあと、韓氏意拳の養生の健身功のなかの型を、気がむくままいくつかやります。
一見ゆるい運動に見えるんですが、韓氏意拳でいうところの「状態」の深さによっていくらでも全身運動として深くおこなうことができるので、その日の調子によってかなり深く自分の身体にアクセスしたりもします。

最後に音読療法の呼吸法で全体の活力をほどよく整え、終了です。
これらのプロセスでもっとも重要なのは、自分の身体にどれほど注目できるか、ということです。
韓氏意拳では「身体の声を聞く」といってますが、どこかとどこおりがないか、リキんでいないか、逆にゆるみすぎていないか、なにか必要なことがないか、よくよく自分の身体の状態を味わいます。
これができるようになってくると、調子が落ちているときはすぐにわかりますし、食事も必要なものを必要なだけ取れるようになります。

私は体重もぴったり一定を維持できているんですが、これも身体の声を聞く食事法のおかげでしよう。
これについてはまた別項で書く機会もあるかと思います。

ボイスセラピー講座@国立(11.3)
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。